人と動物の関係学①

愛玩動物飼養管理士

人と動物の関係学①

 

人と動物のかかわり

今回は、人と動物のかかわりを研究する「人と動物の関係学」について勉強しよう!

世の中には、いろんな学問があるんだね~

 

「人と動物の関係学」とは?

  • 「人と動物の相互作用」「人と動物の絆」について研究
  • すべての動物が対象(ペット、産業動物、野生動物など)
  • さまざまな分野にまたがる学際的な学問

いろんな観点から人と動物の関係性を研究してるんだよ

人と動物の絆(ヒューマン・アニマル・ボンド:HAB)
1979(昭和54)年の国際会議(ダンディー・ミーティング)で提唱された概念。この会議がきっかけとなり、動物は人間の精神や肉体に大きな影響を与えるととともに、動物も人から影響を受けるなどといった人と動物の相互作用などについての研究や団体の設立が進み始めました。

 

「人と動物の関係学」の研究者や団体

ボリス・レビンソン(アメリカ、臨床心理学者)
人の精神療法に動物の力を活用

 

ペット・パートナーズ(アメリカ、旧:デルタ協会)
人と動物と環境の相互作用に関する教育研究活動の団体

 

コンパニオン・アニマル研究会(イギリス)
人と動物と環境の相互作用に関する教育研究活動の団体

 

IAHAIO(アイハイオ)

アイウエオと間違えそうだね!

「人と動物の相互作用の理解の促進」と「国際交流」の学術団体

 

アニマル・アドボケート

アニマル・アドボカシー:動物の立場を理解し、世に知らせるという行動
アニマル・アドボケート:動物の立場を理解し、世に知らせる行動をする人『動物の代弁者

愛玩動物飼養管理士はアニマル・アドボケートだね!

 

動物愛護思想

動物愛護思想は2つの考え方に大別できます

動物の福祉(アニマル・ウェルフェア)
動物を利用することは全面否定しないが、動物に対しての気配りと、生活の質(QOL)を維持することが必要という考え方

 

動物の権利(アニマル・ライツ)
動物の権利は人間と同等であるとして、人による動物の利用に否定的な考え方

「基本的人権」の動物バージョンみたいだね

 

バランシング・ポイント

  • 「愛玩動物は飼育するが肉は口にしたくない」などといったように、「動物の権利論」と「動物の福祉論」の間の考え方の均衡点(2つの異なる考え方の相互のウエイト付けのポイント)のこと
  • 考え方は二者択一ではない

人それぞれで考え方やとらえ方は違うよね

 

 

動物虐待とは?

意図的・積極的な虐待故意に、動物に苦痛を与えること(傷つける・閉じ込める等)
畜産動物の食肉利用、不妊・去勢措置、治療の見込みがないペットの安楽死などは、適切に行えば虐待ではないとされています。

 

ネグレクト/飼養放棄という虐待:必要な飼養管理を怠る(水や食事を与えない、体調管理をしない、管理ができないほど多数のペットを飼う等)

正しい知識がないと、知らず知らずのうちにネグレクトになっている場合もあります💦

 

 

動物観・ペットとのかかわりの歴史

次に人の歴史と動物とのかかわりについて勉強しよう!

風土

哲学者である和辻哲郎が世界の環境を「砂漠型」「牧場型」「モンスーン型」に分け、それぞれの風土と文化、思想の関連を考究しました
砂漠型」:厳しい自然条件(アフリカ・アラビア)
⇒自然は敵対するものと考える

 

牧場型」:穏やかな自然(ヨーロッパ)
⇒自然は支配・コントロールできるものと考える

 

モンスーン型」:四季の変化・自然は豊か・脅威(アジア)
⇒自然に対して受身の考え方になる

 

地震や水害(脅威)も多い日本はモンスーン型だって!

 

宗教(日本と欧米)

欧米ヘブライ思想(キリスト教の思想のもと)の影響
旧約聖書:「人がすべてを支配せよ」「すべての動くものを食料とするがよい」
  • 人間が絶対的に優位な立場
  • 人と動物とは別の生命体

 

日本仏教の影響
ヒンズー教、ジャイナ教など古代インドに起源をもつ東洋の宗教の共通点
  • 人と動物は生命的につながった存在(輪廻転生)
  • 動物への態度は情緒的
日本の昔話では、西洋と比べて動物が人に化ける事例が多くみられる
鶴の恩返し→鶴が人に化けて恩返しする
赤ずきん→オオカミがおばあちゃんに変装する

宗教の違いによっても動物に対する考え方が違ってくるんだね

 

動物に対する思想の変容(西洋)

紀元前(人の絶対的優位)
アリストテレス(ギリシャの哲学者)
「動物には理性がない。利用されるために存在する」
→人が動物よりも優れているという考え方

 

13世紀(動物資源論)
トマス・アクィナス(神学者)
「不完全なもの(動物)は完全なもの(人間)のために存在する」
動物は人のための資源という考え方
20世紀までローマ・カトリック教会の正式見解として重視

 

17世紀(動物機械論)
デカルト(哲学者)
「動物」は理性のない「自動機械」⇒苦痛は感じていない
→動物はモノであり、叫びはただの機械音であるという考え方

 

とんでもない考え方です

 

伝統的な人間優位の考え方の転換

18世紀(動物も痛みを感じる存在)

ベンサム(イギリスの哲学者)
「動物も痛みや苦しみを感じることができるのだから、正しくあろうとするならば、動物が痛みや苦しみを受けないようにしなければならない
→動物の最大限の幸せを考え、法律で守る

 

20世紀(生きとし生けるものへの倫理「人道的な取り扱い」)
シュヴァイツァー(フランスの医師・哲学者)
「生命への畏敬の理念」⇒動物などへの倫理の拡大
→本当に動物の利用が必要か?必要であれば最大限の配慮をする

 

少しずつ動物に対して優しくなってきてるよ

 

日本人とペットの歴史

犬と猫の飼養の始まり(庶民の間)
  • 犬:江戸時代中期ごろから
  • 猫:室町時代ごろから

 

犬と猫が飼われはじめた目的
  • 犬:主に番犬として *諸外国と同じ
  • 猫:主に愛玩目的  *諸外国では「ネズミ退治」が一般的

 

ペット飼育の流行
  • 江戸時代:・魚・虫・ウサギなどの飼育が流行 *多くの飼育解説書が出版されました

江戸時代では鳥を飼ってるのが、ナウかったんだよ!

 

 

多様な動物愛護思想とその歴史

近代の動物愛護運動の歴史(イギリスとアメリカ)

イギリス

近代的な動物愛護の動きはイギリスから始まったんだって!

動物の扱いが、文明国にふさわしいものになるようにすることが目的
1822年 マーチン法の成立
  • 家畜の虐待と不当取り扱い防止条例
当初はペットではなく、家畜が主な対象でした

 

1824年 SPCA(動物虐待虐待防止協会)の設立
  • 1840年にRSPCA(王立動物虐待防止協会)になる

王立なので、ROYALが頭につきました!

1835年 ブル・ベイティング禁止

犬でブル(牛)を追いかける見世物で、この時にブルドックが誕生しました。

 

 

アメリカ

1866年 ヘンリー・バーグがアメリカ動物虐待防止協会(ASPCA)を設立

  • イギリスを参考にして設立

 

近代の動物愛護運動の歴史(日本)

日本の歴史はどんなだろう?

675(天武4)年 天武天皇「天武の勅令」

  • 肉食禁止の法律

 

江戸時代 「生類憐みの令」など

  • 徳川綱吉の時代

 

1902(明治35)年 広井辰太郎動物虐待防止会

  • 西洋の影響を受けている
  • 当初は、牛馬の保護が中心
  • 人道教育の一つ
  • 機関紙『あわれみ』を発行

 

1908年(明治41)年 「動物虐待防止会」から「動物愛護会」に

 

1915年(大正4)年 「日本人道会」の設立

  • 新渡戸万里・バーネット大佐夫人が設立者
  • 愛犬マーケットなどを実施
  • 当初は牛馬の保護が中心

 

1948(昭和23)年 「日本動物愛護協会」の設立

  • ガスコイン英国大使夫人などが中心
  • ジャック・ブリンクレー斎藤弘吉平岩米吉らが発起人
  • 現在の公益財団法人日本動物愛護協会

 

広井辰太郎の動物愛護活動

キリスト教の牧師であり、イギリスの動物愛護運動の影響を受けていた
きっかけ:雑誌「太陽」「中央公論」で問題点を指摘
  • 馬車の馬の酷使
  • 公衆の面前でのニワトリのと殺
当初は牛馬の保護が中心でした

この頃は動物の力を借りて生活していたから牛さんとか馬さんが身近だったんだね

 

考え方やねらい:動物虐待は品性の問題。文明の体面を汚すこと。
  • 人の心を気高いものにすることを期待する
  • 「人道教育」であった

 

愛玩動物飼養管理士

今回は、動物愛護の考え方や歴史についてたくさん勉強したね!

愛玩動物飼養管理士ではこんなことを勉強するから参考にしてみてね!

 

資料請求はこちらから↓

<広告>

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました