弁済と相殺

宅建士

弁済と相殺について

 

弁済

問題でよく弁済って出てくるけど、弁済って何?

弁済は債務を弁償することだよ。特に法律で、債務を履行して、債権を消滅させることだね!

「弁済する=債権が消える」だよ

なるほどー

弁済についてなんとなく理解したところで、過去問を見ていきましょう!

 

受領権限

Aを売主、Bを買主として甲建物の売買契約が締結された場合におけるBのAに対する代金債務(以下「本件代金債務」という。)に関する次の記述は、民法の規定及び判例によれば、正しいか。

自称相続人と弁済

取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ過失がなかったときに限り、その効力を有する(民法478条)。また、債権者の代理人と称する者は、取引上の社会通念に照らして受領権者としての外観を有する者にあたる(判例)。
Bが、Aの代理人と称するDに対して本件代金債務を弁済した場合、Dに受領権限がないことにつきBが善意かつ無過失であれば、Bの弁済は有効となる。

自称相続人と弁済

Dさんは自称相続人だから、受領権限はないね

だけど、この場合はBさんが善意無過失だから弁済は有効だよ!

 

有過失がある場合

弁済を受領する権限を有しない者に対してした弁済は、債権者がこれによって、利益を受けた限度においてのみ、その効力を有する(民法479条)。
本規定は、無効な弁済であっても、債権者が当該弁済により事実利益を得たことを条件として、その限度において債権消滅の効力を認めたものです。
Bが、本件代金債務につき受領権限のないCに対して弁済した場合、Cに受領権限がないことを知らないことにつきBに過失があった場合でも、Cが受領した代金をAに引き渡したら、Bの弁済は有効になる。

権限の無いCに弁済したけど、CがAに代金を引き渡してくれました

この弁済を有効にしないと、AさんはCさんからもBさんからも代金を受け取れることになっちゃうね

 

 

相殺

相殺(そうさい)とは、相手に対して同種の債権をもっている場合に、双方の債権を対当額だけ消滅させる行為。

相殺 – Wikipedia より引用

ぷよぷよのおじゃまぷよの相殺を思い出しました

キキ

何言ってんるんだろ

相殺できるかどうかは対抗要件具備の前後弁済期の時期が重要になるよ!

おじゃまぷよが降ってくる前にこっちもおじゃまぷよを持っていないといけないんですね!

良いたとえだと思うよ!(やさしさ)

 

相殺のタイミング

債権譲渡と相殺

債務者は、対抗要件具備時より前に取得した譲渡人に対する債権による相殺をもって譲受人に対抗することができる(民法469条1項)。
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。
AがBに対する賃料債権をCに適法に譲渡し、その旨をBに通知したときは、通知時点以前にBがAに対する債権を有しており相殺適状になっていた場合は、Bは、通知後もその債権と譲渡にかかる賃料債務とを相殺することができる
相殺適状:借金(貸金債権)と車の代金(代金債権)などのように2つの反する債権(反対債権)がそれぞれ消滅させられる状態であること。

譲渡通知前に反対債権を持っていました

譲渡通知(対抗要件具備)の前に反対債権を持っていたから相殺できるんだね!

 

相殺と弁済期

相殺をするためには、自働債権と受働債権が弁済期にあることが必要である(民法505条1項)。
  • 自働債権分からきかける側、つまり相殺すると言い出した方の債権のこと
  • 受働債権きかけをける側、つまり相殺すると言われた方の債権のこと

Aは、令和2年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。

BがAに対して同年12月31日を支払期日とする賃金債権を有している場合には、Bは同年12月1日に売買代金債権と当該賃金債権を相当額で相殺することができません

相殺と弁済期

12月1日時点では、Bの有する債権(自働債権)は弁済期が未到達であるため、Bは相殺することができません。

Aさんからしたら、12月31日までに賃金を払えばいいはずなのに、Bさんから急かされて12月1日の相殺に応じる必要はないんだね!

12月1日にはまだAさんには相殺するべきおじゃまぷよ(賃金支払義務)がないイメージですかね

キキ

余計分かりにくかったらごめんなさい

 

相殺と消滅時効

自働債権が時効消滅しても、消滅前に相殺適状になっていた場合には、相殺が可能である(民法508条)。

Aは、令和2年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。

BがAに対し同年9月30日に消滅時効の期限が到来する賃金債権を有していた場合に、Aが当該消滅時効を援用したら、Bは売買代金債務と当該賃金債権を相当額で相殺することがでない

相殺と消滅時効

消滅時効期限経過後に受働債権が発生しているため、相殺適状にはなく、相殺することができません。

9月30日に消滅時効によってAさんのおじゃまぷよ(賃金債権)が消えてますね。その後、10月1日に契約してBさんにおじゃまぷよ(代金債権)がついてるから相殺できないですね!

 

ナナ

これで伝わるかなぁ

 

相殺と損害賠償

人の生命または身体の侵害による損害賠償を受働債権とする相殺はできない(民法509条2号)。
これは不法行為の被害者の保護が目的です。
なので、不法行為に基づく損害賠償請求権を自働債権とする相殺を行うことはできます。

 

事故にあった側から(自動)相殺することはできるんだよ

Aは、令和2年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。

同年10月10日、BがAの自動車事故によって被害を受け、Aに対して不法行為に基づく損害賠償債権を取得した場合には、Bは売買代金債務と当該損害賠償権を相当額で相殺することができる

相殺と損害賠償

事故にあったBさんから相殺できるんだね!

 

差押え前の債権

債権が差押えられた場合において、第三債務者が債務者に対して反対債権を有していたときは、その債権が差押後に取得したものでないかぎり、その債権および被差押債権の弁済期の前後を問わず、両者が相殺適状に達しさえすれば、第三債務者は、差押後においても、その反対債権を自働債権として、被差押債権と相殺することができる(最大判昭45.6.24)。
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。Aの債権者Cが、AのBに対する賃料債権を差押えた場合、Bは、その差押え前に取得していたAに対する債権と、差押えにかかる賃料債務とを、その弁済期の前後に関わらず、相殺適状になった段階で相殺し、Cに対抗することができる

差し押え前に取得していた反対債権

差押えされるに債権を持ってたら相殺できるよ!

 

差押え後の債権

差押を受けた債権の第三債務者は、差押え後に取得した債権を自働債権とする相殺をすることができない(民法511条1項)。
Aは、令和2年10月1日、A所有の甲土地につき、Bとの間で、代金1,000万円、支払期日を同年12月1日とする売買契約を締結した。
同年11月1日にAの売買代金債権がAの債権者Cにより差押えられ、Bは、同年11月2日から12月1日の間に、差押え後の原因に基づいて生じたAに対する別の債権を取得した場合、同年12月1日に売買代金債務と当該債権を相当額で相殺することはできない

差押え後に原因がある債権取得

差押え原因で取得した債権では相殺できないよ

もし、原因が差押え前取得が差押え後であった場合は相殺は可能です。

 

抵当権と差押え

抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権者設定者の後に賃借人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺を持って抵当権者に対抗することはできない(最判平13.3.13)。
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。甲建物の抵当権者Dが、物上代位権を行使してAのBに対する賃料債権を差押えた場合、Bは、Dの抵当権設定登記の後に取得したAに対する債権と、差押えにかかる賃料債務とを、相殺適状になった段階で相殺し、Dに対抗することはできない

抵当権の登記後に取得した債権では相殺できません

 

抵当権でも、その設定があるに反対債権を持ってないと相殺できないんだね!

 

 

その他債権の消滅

債権の消滅

弁済や相殺以外にも債権が消えることがあるよ!

どんな時だろ?

 

敷金と差押え

敷金が授受された賃貸借契約に係る賃料債権につき抵当権者が物上代位権を行使してこれを差押えた場合において、当該賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたときは、賃料債権は、敷金の充当によりその限度で消滅する(民法622条の2第1項1号、民法511条2項)。
Aは自己所有の甲建物をBに賃貸し賃料債権を有している。甲建物の抵当権者Eが、物上代位権を行使してAのBに対する賃料債権を差押えた場合、その後に賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されれば、Bは、差押えにかかる賃料債務につき、敷金の充当による当然消滅を、Eに対抗することができる

敷金と賃料債務を消滅可能

もし、賃料債権が差押えられても、敷金があれば消滅できるんだね!

こういう時のための敷金だからね!

 

併存的債務引受

併存的債務引受は債権者と引受人となる者との契約によってすることができる(民法470条2項)。

併存的債務引受とは、債務者の債務はそのまま残しつつ、引受人がこれと同一内容の債務を負担することです。

元の債務者と引受人の2人で仲良く債務を持つよ

 

免責的債務引受

免責的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができる(民法472条2項)。
免責的債務引受とは、債務者の債務と同一内容の債務を引受人が債権者に対して負担し、債務者を当該債務から免れさせることをいいます。

 

債務者から引受人に債務が移っちゃうよ

 

 

最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!

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