建築確認と建築協定
建築確認
建物を新しく建築したり改築、移転したりするときは工事前に建築確認が必要な場合があるよ
建築物を建築しようとする場合は建築確認が必要である(建築基準法6条1項柱書)。なお、「建築」とは「建築物を新築し、増築し、改築し、又は移転すること」と定義している(同法2条13号)。
建築確認の対象となり得る工事は、建築確物の建築、大規模の修繕及び大規模の模様替、建築物の移転をする場合である。
それじゃあ、どんな場合に建築確認が必要なのかより詳しく勉強していこう!
特殊建築物
用途部分の面積が200㎡を超える特殊建築物を建築または用途を変更する場合は建築確認を受けなければならない(建築基準法6条1項1号)。
特殊建築物ってなに?
特殊な用途を持つ建築物のことで、例えば多数の人が集う建築物(映画館など)や衛生上・防火上特に規制すべき建築物 (汚物処理場など)などがこれに当たる。
- 劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場
- 病院、診療所、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎など
- 学校、体育館、博物館、図書館、ボーリング場、スケート場など
- 百貨店、マーケット、展示場、ダンスホール、キャバレー、料理店、飲食店、遊技場、公衆浴場など
- 倉庫
- 自動車車庫、自動車修理工場、映画スタジオ
普通の住宅や事務所以外はだいたい、特殊建築物だね
事務所を飲食店に
事務所の用途に供する建築物を、飲食店(その床面積の合計250㎡)に用途変更する場合、建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けなければならない。
事務所をホテルに
事務所の用途に供する建築物をホテル(その用途に供する部分の面積の合計が500㎡)に用途変更する場合、建築確認は必要である。
ホテルを共同住宅に
ホテルの用途に供する建築物を共同住宅(その用途に供する部分の床面積の合計が300㎡)に用途変更する場合、建築確認が必要である。
映画館
映画館の用途に供する建築物で、その用途に供する部分の床面積の合計が300㎡であるものの改築をしようとする場合、建築確認が必要である。
どの場合も特殊建築物で床面積が200㎡以上だから、建築確認が必要なんだね!
木造建築
木造建築については、階数が3階以上、延べ面積が500㎡超、高さが13m超、軒の高さが9m超のいずれかに該当すれば建築確認を受けなければならない(建築基準法6条1項2号)。
ココに書いている条件に一つでも当てはまったら、建築確認が必要だよ!
都市計画区域外において高さ12m、階数が3階の木造建築物を新築する場合、建築確認が必要である。
木造以外
木造以外の建築物で階数2以上を有し、又は延べ面積が200㎡を超えるものの大規模修繕をしようとする場合、建築主は、区域に関係なく、工事に着手する前に、確認済証の交付を受けなければならない(建築基準法6条1項3号)。
木造より少し厳しいんだね
階数が2で延べ面積が200㎡の鉄骨造の共同住宅の大規模の修繕をしようとする場合、建築主は、当該工事に着手する前に、確認済証の交付を受けなければならない。
完了検査
建築確認を受ける必要のある工事が完了したときは、その建築主は、建築主事又は指定確認検査機関の完了検査を受ける必要がある(建築基準法7条1項)。
建築確認と完了検査はセットなんだね!
防火地域内にある3階建ての木造の建築物を増築する場合、その増築に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であっても、その工事が完了した際に、建築主事又は指定確認検査機関の完了検査を受ける必要がある。
防火地域内において、建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の規模を問わず建築確認を受ける必要がある(建築基準法6条1項、2項)。
防火地域内では小規模でも建築確認が必要だよ!
検査済証
建築確認が必要な建築物の工事をする場合、原則として検査済証の交付後でなければ当該建築物を使用できない。ただし、特定行政庁が安全上、防火上、避難上支障がないと認めたときなど、一定の場合には検査済証の交付を受ける前でも当該建物を使用することができる(建築基準法7条の6第1項1号)。
検査済証は、建築基準法で定められた「建築確認、中間検査、完了検査」の3つがすべて完了し、その建物が法律の基準に適合していることが認められたときに交付される書類です。
特定行政庁の人
私たちが認めた場合は、だいたいOKです。
鉄筋コンクリート造であって、階数が2の住宅を新築する場合において、特手行政庁が、安全上、防火上及び避難上支障がないと認めたときは、検査済証の交付を受ける前においても、仮に、当該建物を使用することができる。
本来だったら、二階建ての鉄筋コンクリートの住宅は建築確認が必要で、検査済証の交付を受けないと建物を使えないよ
この場合は、特定行政庁が認めてくれてるから検査済証の交付前でも建物を使えるんだね
建築確認不要
防火地域及び準防火地域外において建築物を増築し、改築し、又は移転しようとする場合で、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときは建築確認は不要である(建築基準法6条2項)。
普通の地域(防火・準防火地域以外)ではの小規模(10㎡以内)の変更は建築確認しなくてもできるんだよ
建築基準法以外
建築確認は「建築基準法令の規定、その他建築物の敷地、構造又は建築設備に関する法律並びにこれに基づく命令及び条例の規定で政令で定めるものに適合するものであること。」(建築基準法6条)
あたりまえだけど、建築確認では建築基準法以外の法律も考慮しないといけないってことだね!
建築主事は、建築主から建築物の確認の申請を受けた場合において、申請に係る建築物の計画が建築基準法令の規定に適合しているかを審査するとともに、都市計画法などの建築基準法以外の法律の規定に適合しているかも審査の対象となる。
建築協定
建築協定の変更と廃止
建築協定の変更には、建築協定の締結と同様所有者全員の同意が必要となる(建築基準法74条2項、70条3項)。しかし、建築協定の廃止については過半数の同意で足りる(建築基準法76条1項)。
建築協定の変更と廃止では同意の数が違うんだ
- 変更→全員の同意が必要
- 廃止→過半数の同意が必要
建築物の借主
建築物協定の目的となっている建築物に関する基準が建築物の借主の権限に係る場合においては、その建築協定については、当該建築物の借主は、土地の所有者等とみなす(建築基準法77条)。
借地借家法っぽい考え方だね!
最後に
勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!
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