令和3年度(問21~25)

賃貸不動産経営管理士

令和3年度 過去問

 

 

問21

賃料増減額請求に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせはどれか。

ア 賃料増減額請求は、請求権を行使した時ではなく、客観的に賃料が不相当となった時に遡って効力を生ずる。

イ 賃料改定を協議によって行うとする特約が定められている場合であっても、賃料増減請求を行うことができる。

ウ 借主が賃料減額請求を行ったが、協議が調わない場合、減額を正当とする裁判が確定するまでの間、借主は減額された賃料を支払えば足り、貸主は従前の賃料を請求することができない。

エ 賃料改定については、合意が成立しなければ、訴訟によって裁判所の判断を求めることになるが、原則として、訴訟提起の前に調停を申し立てなければならない。

 

  1. ア、イ
  2. ア、ウ
  3. イ、エ
  4. ウ、エ

 

 

正解:3

[解説]

ア 賃料増減額請求は、請求権を行使した時ではなく、客観的に賃料が不相当となった時に遡って効力を生ずる。誤り

遡っては効力は発生しないよ

イ 賃料改定を協議によって行うとする特約が定められている場合であっても、賃料増減請求を行うことができる。正しい

ウ 借主が賃料減額請求を行ったが、協議が調わない場合、減額を正当とする裁判が確定するまでの間、借主は減額された賃料を支払えば足り、貸主は従前の賃料を請求することができない。誤り

賃貸人は暫定的にふさわしいと認められる額(従前の賃料)を請求できるよ!

エ 賃料改定については、合意が成立しなければ、訴訟によって裁判所の判断を求めることになるが、原則として、訴訟提起の前に調停を申し立てなければならない。正しい

 

 

 

問22

賃料回収及び明渡しに向けた業務に関する次の記述のうち、不適切なものの組み合わせはどれか。

ア 明渡しを命ずる判決が確定すれば、貸主は、強制執行によることなく、居室内に立ち入り、残置物を処分することができる。

イ 貸主は、契約解除後、借主が任意に明渡すことを承諾している場合、明渡し期限後の残置物の所有権の放棄を内容とする念書を取得すれば、借主が退居した後に残置物があったとしても自らこれを処分することができる。

ウ 貸主は、借主の未払賃料について、支払を命じる判決が確定しなければ、賃料債務の有無及び額が確定しないため、敷金を充当することができない。

エ 貸主は、賃貸借契約書を公正証書で作成した場合であっても、建物の明渡しの強制執行をするためには、訴訟を提起して判決を得なければならない。

 

  1. ア、イ
  2. ア、ウ
  3. イ、エ
  4. ウ、エ

 

 

正解:2

[解説]

ア 明渡しを命ずる判決が確定すれば、貸主は、強制執行によることなく、居室内に立ち入り、残置物を処分することができる。誤り

そんなことできたら借主さんが可哀そうだよね💦

イ 貸主は、契約解除後、借主が任意に明渡すことを承諾している場合、明渡し期限後の残置物の所有権の放棄を内容とする念書を取得すれば、借主が退居した後に残置物があったとしても自らこれを処分することができる。正しい

ウ 貸主は、借主の未払賃料について、支払を命じる判決が確定しなければ、賃料債務の有無及び額が確定しないため、敷金を充当することができない。誤り

敷金は基本的にいつでも未払い賃料にされるみたいだね

エ 貸主は、賃貸借契約書を公正証書で作成した場合であっても、建物の明渡しの強制執行をするためには、訴訟を提起して判決を得なければならない。正しい

 

 

問23

賃貸住宅標準契約書(国土交通省住宅局平成30年3月公表)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 賃貸住宅標準書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限定している。
  2. 賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。
  3. 賃貸住宅標準書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使用対価は含まないものとされている。
  4. 賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、貸主が負担するものとされている。

 

 

正解:2

[解説]

1.賃貸住宅標準書では、建物賃貸借の目的を「住居」と「事務所」に限定している。誤り

賃貸住宅標準契約書では、居住のみになってるよ

2.賃貸住宅標準契約書では、更新料の支払に関する定めはない。正しい

3.賃貸住宅標準書では、賃料は、建物の使用対価のみを指し、敷地の使用対価は含まないものとされている。誤り

賃料には建物が建っている敷地の使用料も含まれてるよ!

 

 

4.賃貸住宅標準契約書では、共用部分にかかる水道光熱費等の維持管理費用は、貸主が負担するものとされている。誤り

共益費はふつうは借主が負担してるよね!

 

 

 

 

問24

Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借契約においてBが死亡した場合に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実及び特約はないものとする。

  1. Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在するものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。
  2. Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在しないものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。
  3. Aが地方公共団体の場合で、賃貸住宅が公営住宅(公営住宅法第2条第2号)であるときに、Bが死亡しても、その相続人は当然に使用権を相続によって承継することにはならない。
  4. Bが死亡し、相続人がいない場合、賃借権は当然に消滅する。

 

 

 

正解:3

[解説]

1.Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在するものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。誤り

2.Bの内縁の妻Cは、Bとともに賃貸住宅に居住してきたが、Bの死亡後(Bには相続人が存在しないものとする。)、Aから明渡しを求められた場合、明渡しを拒むことができない。誤り

3.Aが地方公共団体の場合で、賃貸住宅が公営住宅(公営住宅法第2条第2号)であるときに、Bが死亡しても、その相続人は当然に使用権を相続によって承継することにはならない。正しい

公営住宅は困っている人のための住宅だからね

 

公営住宅の使用者が死亡した場合、使用者に相続人がいても、相続人は、当然に使用権を相続によって承継するということにはならない(最判平2.10.18民集44巻7号1021頁)

 

4.Bが死亡し、相続人がいない場合、賃借権は当然に消滅する。誤り

 

 

 

問25

建物賃貸借契約における必要費償還請求権、有益費償還請求権及び造作買取請求権に関する次の記述のうち、適切なものの組合せはどれか。

ア 賃貸物件に係る必要費償還請求権を排除する旨の特約は有効である。

イ 借主が賃貸物件の雨漏りを修繕する費用を負担し、貸主に請求したにもかかわらず、貸主が支払わない場合、借主は賃貸借契約終了後も貸主が支払をするまで建物の明渡しを拒むことができ、明渡しまでの賃料相当損害金を負担する必要もない。

ウ 借主が賃貸物件の汲取式トイレを水洗化し、その後賃貸借契約が終了した場合、借主は有益費償還請求権として、水洗化に要した費用と水洗化による賃貸物件の価値増加額のいずれか一方を選択して、貸主に請求することができる。

エ 借主が賃貸物件に空調設備を設置し、賃貸借契約終了時に造作買取請求権を行使した場合、貸主が造作の代金を支払わないときであっても、借主は賃貸物件の明渡しを拒むことができない。

 

  1. ア、イ
  2. イ、ウ
  3. ウ、エ
  4. ア、エ

 

 

正解:4

[解説]

ア 賃貸物件に係る必要費償還請求権を排除する旨の特約は有効である。正しい

イ 借主が賃貸物件の雨漏りを修繕する費用を負担し、貸主に請求したにもかかわらず、貸主が支払わない場合、借主は賃貸借契約終了後も貸主が支払をするまで建物の明渡しを拒むことができ、明渡しまでの賃料相当損害金を負担する必要もない。誤り

明渡しを拒むことはできるよ

これを留置権って言ううよ!

ただし、賃料は払う必要があります。

ウ 借主が賃貸物件の汲取式トイレを水洗化し、その後賃貸借契約が終了した場合、借主は有益費償還請求権として、水洗化に要した費用と水洗化による賃貸物件の価値増加額のいずれか一方を選択して、貸主に請求することができる。誤り

大家さん(賃貸人)がいずれか低い方を選択することができるよ!

エ 借主が賃貸物件に空調設備を設置し、賃貸借契約終了時に造作買取請求権を行使した場合、貸主が造作の代金を支払わないときであっても、借主は賃貸物件の明渡しを拒むことができない。正しい

 

 

 

過去問演習

勉強したら実際に過去問を自分で解いてみよう

資格試験は過去問をするのが一番効率が良いと個人的に思います!

 

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