借地借家法①

宅建士

借地借家法①

 

借地

借地借家法については賃貸借契約の中で前にも勉強したね!

 

 

今回はその中でも土地を借りる借地についてくわしく勉強していこう!

 

 

借地借家法の基本

借地借家法の適用

借地借家法の規定が適用されるのは、「建物の所有」を目的とする賃借の場合である。

家を持つために土地を借りてる状態ですね

ゴルフ場経営を目的とする土地賃貸借契約については、借地借家法の適用はない

土地を借りる目的が建物所有じゃなくて、経営だからだね!

 

定期借地契約

契約の更新がなく、建物の買取の請求をしないこととする旨の契約は定期借地権契約である。定期借地権契約では事前に書面の交付は必要だが説明はまでは不要である(借地借家法22条)。

一定の期間(定期)土地を使っていいよ(借地権)って契約だよ

A所有の甲土地につき、Bとの間で建物所有が目的の賃貸借契約をした場合。契約の更新がなく、建物の買取の請求をしないこととする旨を定めるには、AはあらかじめBに対してその旨を記載した書面を交付すればよい

説明まではしなくていいんだったね!

ちなみに、定期建物賃貸借契約(いわゆる定期借家契約)の場合では、事前に書面を交付し、説明をしなければいけません

土地を貸すだけの契約だったら、そこまで丁寧に説明しなくていいんだね!

  • 定期借地権契約→書面だけでOK!
  • 定期借家契約→書面と説明が必要

 

賃料の増減額請求

社会情勢の変化

社会情勢の変化により賃料が不相当となった場合は、将来に向かって賃料の増減額請求をすることができる(借地借家法11条1項)。

その時代にあった賃料にしないと、お互いのためにならないよね!

A所有の甲土地につき、Bとの間で賃貸借契約が締結された場合。本件契約が建物所有を目的として存続期間60年とし、賃料につき3年ごとに1%ずつ増額する旨を公正証書で定めたものである場合でも、社会情勢の変化により賃料が不相当となったときは、AもBも期間内に賃料の増減額請求をすることができる

 

減額しない特約

一定の期間地代等を増額しない特約は有効である(借地借家法11条1項ただし書)。一方で、減額をしないという特約は無効である(判例)。
  • 増額しない特約→借主に有利有効
  • 減額しない特約→借主に不利無効

借主ファーストだね!

 

借地権の存続期間

借地権契約

契約によって借地権の存続期間を30年より長い期間で定めたときは、その期間が存続期間となる(借地借家法3条ただし書)。

30年以上の期間を定めることは借主にとってうれしいから定めることはできるよ

 

このとき、公正証書の有無は関係ありません

 

定期借地権契約

居住用建物の所有を目的とした定期借地権契約は、存続期間を50年以上とする場合にのみ結ぶことができる(借地借家法22条)。

「契約の更新請求をしない」ってのが、定期借地権契約だよ!

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約を締結する場合。本件契約が居住用の建物の所有を目的とする場合には、借地権の存続期間を20年とし、かつ、契約の更新請求をしない旨を定めても、これらの規定は無効となる。

たった20年で自分の家が建っている土地から追い出されたら大変だよ!50年くらいは住ませてほしいな!

 

 

契約について

土地の賃貸借契約

土地の賃貸借契約に関しては、以下の1~3のパターンがあります。

  1. 通常の借地権契約の場合、書面がなくとも有効である(民法601条)。
  2. 定期借地権契約の場合、書面がなければ無効である(借地借家法22条、23条、24条)。
  3. 事業用定期借地権契約の場合、公正証書でなければ無効である(借地借家法23条3項)。

まとめるとこうなるね!

  • 通常の借地権契約→諾成契約(口約束)
  • 定期借地権契約書面契約
  • 事業定期借地権契約→公正証書で契約

 

過去問でこんな問題が出たよ

AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述は、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいか。本件契約が専ら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合には、公正証書によらなければ無効となる。

事業用なのに公正証書でしてないから無効!

そう思っちゃうけど、実はこの問題では有効なんだよ

Why? takken siken!

「本件契約が事業用定期借地権契約である」とは、どこにも書かれていません。なにも書かれてない以上、原則通り「通常の借地権契約を結んだ」と評価できます。
よって、1の通常の借地権契約のパターンに当てはまり、公正証書によらずとも、契約は有効です。

 

なんて意地悪な問題なんだ…

本番では引っかからないように注意しようね

 

建物買取請求権

建物買取請求権とは、借地権存続期間満了時に借地人が建てた建物を地主に買い取るよう請求できる権利です。

契約・法律:「建物買取請求権」とは – スマイティ (sumaity.com) より引用

特約

建物買取請求権を行使できないとする特約は効力を有しない(借地借家法13条、16条)。

ココでも借主ファーストだね!

もっとも、建物買取請求権を行使できるのは、「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないとき」である。借主の債務不履行により賃貸借契約が解除された場合には、建物買取請求権は行使することができない(判例)。
「借主の債務不履行により賃貸借契約が解除された場合には、借主は貸主に建物買取請求権を行使することができない」旨の特約は有効です。

契約が円満終了したときに建物買取請求権が使えるんだね!

 

一時使用

建物買取請求権に関する借地借家法13条の規定は、一時使用のための借地権を設定した場合には適用がない(借地借家法25条)。

一時使用でも買い取らないといけなかったた、土地の貸主の負担が大きくなりすぎちゃうよね

仮設建物を建築するために土地を一時使用として1年間賃借し、借地権の存続期間が満了した場合には、借地権者は、借地権設定者に対し、建物を時価で買い取るように請求することはできない

 

過去問

Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述は、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいか。なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。
Aが地代を支払わなかったことを理由としてBが乙土地の賃貸借契約を解除した場合、契約に特段の定めがないときでも、Bは甲建物を時価で買い取る必要はありません
借地人の債務不履行による土地賃貸借契約解除の場合には、借地人は建物等買取請求権を有しない(最判昭35.2.9)。

 

AB間の賃貸借契約を公正証書で行っても、当該契約の更新がなく期間満了により終了し、終了時にはAが甲建物を収去すべき旨を有効に規定することはできません
このような規定をすることができるのは存続期間が50年以上の場合(借地借家法22条)である。

定期借地権契約は50年以上だったね!

 

 

裁判所の許可

借地借家法では必要な許可を借地権者がしてくれないときに困っている人が申し立てることによって裁判所が代わりに許可をしてくれるよ!

どんなのがあるんだろ?

借地条件の変更

建物の用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更その他の事情の変更により、現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる(借地借家法17条1項)。
当事者が申立て→裁判所が変更

 

築造の許可

賃貸借契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて残存すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法18条1項)。
借地権者が申立て→裁判所が許可

 

賃借権の許可

借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法19条1項)。
借地権者が申立て→裁判所が許可

 

第三者への賃借権

第三者が賃貸借の目的物である土地の上の建物を競売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる(借地借家法20条1項)。
第三者が申立て→裁判所が許可

困った時は裁判所に頼もう!

 

 

最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!

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