相続の基本

宅建士

相続の基本

 

相続問題

相続の問題は直系卑属直系尊属代襲相続とか訳が分からない単語が出てくるよ…

問題文も長くて読みにくい💦

確かに相続の問題は読むのがめんどくさいけど、しっかり覚えたら、そんなに難しくないからがんばろう!

頼りになるなぁ

 

相続方法

限定承認

相続人が数人いるときは、限定承認は共同相続人の全員が共同して行う必要がある(民法923条)。

限定承認はみんな(全員)でしかできないよ

Aが死亡し、相続人がBとCの2名であった場合。
Cが単純承認をしたときは、Bは限定承認をすることができません

 

他の人が単純承認したら、限定承認はできなくなるんだ!

Bが自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に対して、相続によって得た財産の限度においてのみAの債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して相続を承認(限定承認)する旨を申述してもCが限定承認をする旨を申述したとみなされません

 

いつの間にか(意思表示しないで)限定承認することは基本的にない

いつの間にか単純承認をすることはあるの?

 

単純承認

相続人が相続の開始があったことを知った時から3ヶ月内に限定承認又は相続の放棄をしなかったときには、単純承認をしたものとみなされる(民法921条2号、915条1項)。

相続開始を知ったら3か月以内限定承認するか相続放棄するか単純承認するか家族みんな(共同相続人全員)で選ぶイメージだよ。

 

それぞれの違い(簡単に)
  • 単純承認:プラス分もマイナス分も相続する。
  • 限定承認:マイナス分は相続しない。
  • 相続放棄:プラス分もマイナス分も相続しない。

割と名前のまんまですね!

 

単純承認の承継

相続人は、単純承認をしたときは無限に被相続人の権利義務を承継する(民法920条)。これは相続財産について知っていることを要しない。

単純承認は故人が残したもの全てを受け入れるイメージだよ

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合。Aが死亡し、唯一の相続人であるFが相続の単純承認をすると、FがBに対する借入金債務の存在を知らなかったとしても、Fは当該借入代務を相続します

考えなしに単純承認すると怖いね!

 

 

共同相続

連帯債務の相続

連帯債務者の各共同相続人は、法定相続分にしたがって分割された債務を承継し、各自その承継した範囲において本来の債務者とともに連帯債務者となる

受け継がれる借金(さだめ)

 

第三者への対抗

共同相続において、相続人の一人が単独の所有権の登記をなし、これを第三者に譲渡し所有権の登記をしても、他の相続人は自己の持分を登記なくして第三者に対抗することができる
相続財産に属する不動産について、遺産分割前に単独の所有権移転登記をした共同相続人から移転登記を受けた第三取得者に対し、他の共同相続人は、自己の持分を登記なくして対抗することができます

他の共同相続人は第三者に対抗できる

第三者に対抗できるんだけど、トラブル防止のためにちゃんと話し合い(遺産分割協議)をしててほしいよね!

 

遺産分割協議

遺言による禁止

共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる(民法907条)。

遺言がなければ、自由に分けれるんだね!

その際、被相続人は、遺言で相続の開始の時から5年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる(民法908条)。

遺言で5年間遺産を分けるのを防止できるんだね

 

再協議

共同相続人は、すでに成立している遺産分割協議について、全部又は一部を全員の合意により解除した上で、改めて遺産分割協議を成立させることができる(判例)。
これは、全員の合意による解除後に改めて遺産分割協議を成立させた場合には、再協議と同視できるからです。

全員の合意があれば、一度決まった遺産分割ももう一度考え直すことができるんだね!

 

預貯金債権

共同相続された普通預金債権、通常預金債権及び定期預金債権などの預貯金債権については、相続開始と同時に相続分に応じて分割されることなく、遺産分割の対象となる(判例)。
よって、共同相続人は、その持分に応じて、単独で預貯金債権に関する権利を行使することができません
遺産分割の対象:不動産、預貯金、株式、投資信託など
なお、一般の可分債権については、相続分に応じて当然に分割される(判例)。
可分債権:貸金債権、損害賠償請求権、売掛金など。

預貯金も簡単に分けれそうだから、可分債権になりそうだけど??

実は、平成28年までは預貯金も最高裁の判例によって可分債権に該当すると考えられいたんだよ!

だけど、預貯金は事前に引き出したりする抜け道的な方法ができたから公平にするために平成28年以降から預貯金も遺産分割の対象に変更されたんだよ

法律などはその時々によって変化して面白いですね

 

借入金返済債務(可分債務)

AがBから事業のために1,000万円を借り入れている場合

Aが死亡し、相続人であるDとEにおいて、Aの唯一の資産である不動産をDが相続する旨の遺産分割協議が成立した場合、相続債務につき特に定めがないときは、各人の相続分に応じて分割されて相続されます。

債務は分担

借入金返済債務などの金銭債権は可分債権だから、相続人どうしで分け合うんだね!

 

賃料債権

Aが死亡し、相続人がBとCの2名であり、遺産分割協議が成立するまでの間に遺産である不動産から賃料債権が生じていて、BとCがその相続分に応じて当該賃料債権を分割単独債権として確定的に取得している場合。

賃料債権のあつかい

相続開始から遺産分割までの間に遺産である不動産から生じた賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、その帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない(最判平17.9.8)。

遺産分割協議で当該不動産をBが取得することになっても、Cが既に取得した賃料債権については清算する必要はありません

 

相続の話し合いの途中に発生した賃料は受け取った人の物なんだね

 

 

代襲相続

代襲相続(だいしゅうそうぞく)とは、被相続人より先に相続人が亡くなっている場合に、被相続人から見て【孫】【ひ孫】【甥、姪】等が相続財産を受け継ぐことをいいます。

代襲相続とは|相続は無料相談の中野相続手続センター(東京)へ (tokyo-intl.com) より引用

この代襲相続にもいろいろとルールがあるから見ていこう!

 

再代襲相続

被相続人の子が相続開始以前に死亡したとき、その者の子がこれを代襲して相続人となる(代襲相続、民法887条2項)。また、その代襲者も相続開始以前に死亡していたときは、代襲者の子が相続人となる(再代襲相続、同法887条3項)。

ひ孫も相続人になる

ひ孫も相続人になれるんだね!

ちなみに、ひ孫以下も直系であれば、どこまでも相続人になれます。

 

兄弟姉妹

相続人になる場合

被相続人の兄弟姉妹が相続人となるのは、被相続人に子及びその代襲相続人がおらずかつ被相続人の直系尊属がいない場合である(民法889条1項)。
直系尊属:直接血のつながった父・母、祖父・祖母のこと

兄弟姉妹より、自分の子供や親、じいちゃん・ばあちゃん優先されるんだね!

 

兄弟姉妹の再代襲相続

兄弟姉妹については再代襲相続は認められない(民法889条2項は、887条3項を準用せず。)。
そのため、被相続人の兄弟姉妹が相続人となるべき場合であっても、相続開始前に兄弟姉妹及びその子(甥姪)がいずれも死亡していたときは、その者の子(兄弟姉妹の孫)が相続人となることはありません

 

代襲相続するのは、甥っ子・姪っ子までだよ!

 

法定相続人の順位

法定相続人の順位をまとめるとこんな感じだよ!

  1. 配偶者+直系卑属(子・孫・ひ孫など)
  2. 配偶者+直系尊属(父母・祖父母など)
  3. 配偶者+兄弟姉妹
内縁の配偶者甥姪の子は相続人にはなれません

相続と時効取得

占有者の承継人

Bが甲土地を所有の意思をもって平穏かつ公然に17年間占有した後、CがBを相続し甲土地を所有の意思をもって平穏かつ公然に3年間占有した場合。

相続人は占有権を併せて主張できます

20年間所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人のものを占有した者は、その所有権を取得する(162条1項)。

20年で時効取得するんだったね!

また、占有者の承継人は、自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる(民法187条)。

よって、この場合Cは甲土地の所有権を時効取得することができます

 

賃借権の相続

A所有の甲土地を占有しているBによる権利の時効取得に関して。
Bが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であり、相続から20年間甲土地を占有したときであっても、Bは、時効により甲土地の所有権を取得することはできません

Bさんは20年間占有しても時効取得できません

賃借人は民法162条にいう「所有の意思」がないため、時効取得が認められない(最判昭13.7.7)。
賃借権を相続した者も、所有の意思が認められなければ時効による取得は認められません。

時効取得は所有の意思があるかが大事!

 

 

その他のルール

効力

遺産の分割は、「相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。遺産の分割時にその効力が生じるのではない。ただし、第三者の権利を害することはできない(民法909条)。

遺産分割していた間の第三者の利益は守られるんだよ!

 

無権代理人の単独相続

無権代理人が本人を単独相続した場合無権代理行為は当然に有効となる
無権代理人が本人に無断で本人の不動産を売却した後に、単独で本人を相続した場合本人が自ら当該不動産を売却したのと同様な法律上の効果が生じます

無権代理について詳しくはこちら

 

相続回復請求権

相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知ったときから5年間行使しないときは、時効によって消滅する(民法884条前段)。
相続回復請求権とは、本当の相続人ではないにもかかわらず、相続人であるとして遺産を管理したり処分した者に対して、遺産を取り戻すために行使する請求権をいいます。

関係ない人が相続人のフリしてるのを発見したら、5年以内に言おう!

 

不動産の共有

共有者の一人が、死亡して相続人がいないときは、その持分は、他の共有者に帰属する(民法255条)。

他に共有者がいるときは、共有者の一人が死亡して相続人がいなくても持分が国庫に帰属することはないよ!

 

 

最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!

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