担保物権
留置権
留置権とは?
留置権(りゅうちけん)は、他人の物の占有者が、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまで、その物を留置して、債務者の弁済を間接的に強制する担保物権を言う。
留置権は、以下の要件を満たした場合に主張することができる。
- 他人の物を占有していること(295条1項)。
- 債権が目的物に関して生じたものであること(第295条1項)。
- 債権が弁済期にあること(第295条1項)。
- 占有が不法行為によって始まったのではないこと(第295条2項)。
留置権 – Wikipedia より引用
言葉だけだとよく分からないよ…
言葉だけだと分かりにくいので、留置権をダンボールと猫で例えてみます。
ダンボール(目的物)を30分警備(占有)してくれたら、イチゴとレタスをプレゼントする(債権)よ
やったー!
じゃあ、警備する!
30分経過後…(弁済期)
イチゴとレタスは旬じゃないからやっぱりお預け!
約束と違う!
イチゴとレタスをくれるまでダンボールは渡さないよ
このようにダンボールを留置することによって、イチゴとレタス(債権の弁済)を間接的に強制できます。
具体例
留置権の基本がわかったところで、過去問から具体例を見ましょう!
敷地の留置権
他人の者の占有者は、その物に関して生じた債権の弁済を受けるまでその物を留置することができる(民法295条1項)。
言い換えると、留置権の成立には留置したい物に関して生じた債権を持つ必要があるってことだよ
建物の賃借人が建物に関して必要費を支出した場合、賃借人は、建物所有者ではない第三者が所有する敷地を留置することはできません。
建物の必要費(債権)は土地(留置したい物)とは関係ないね!
造作買取請求
造作買取代金債権は造作に関して生じた債権であり、建物に関して生じた債権ではないので、建物に関して生じた債権であることを要する留置権(民法295条1項)は成立しない。
造作は建物そのものに関係してないから、留置権は成立しないよ!
二重売買
不動産の二重売買において、第二の買主のため所有権移転登記がされた場合、第一の買主は、第二の買主のその不動産の所有権に基づく明渡請求に対し、売買契約不履行に基づく損害賠償債権をもって、留置権を主張することは許されない(最判昭43.11.21)。
有益費
建物の賃借人が、債務不履行により賃貸借契約を解除されたのち、建物を不法に占有する間に有益費を支出しても、その者は費用の償還請求権に基づいてその建物に留置権を行使することはできない(最判昭46.7.16)。
民法で定められているわけではないですが、債務不履行して建物を不法に占有している傍若無人な賃借人の留置権を認めるのは常識的におかしいですよね
不動産質権
復習も含めて見ていこう!
第三者対抗要件
不動産質権も抵当権も不動産に関する物権である。よって登記が第三者対抗要件となる(民法177条)。
どちらも第三者に対抗するには登記が必要なんだね!
効力の発生要件
質権の設定は、債権者にその目的物を引き渡すことによって、その効力を生ずる(民法344条)。
質権に関しては質屋をイメージすると分かりやすいかな、質屋は実際にその者を渡さないとお金かりれないよね
利息
不動産質権者は利息を請求することができない(民法358条)
たしか、抵当権では利息は満期となった最後の2年分についてのみ担保される(民法375条1項)だったね!
存続期間
不動産質権は10年より長い期間を定めたときでも、その期間は10年となる(民法360条)。
コメント