物権変動①

宅建士

物権変動①

 

物権変動について

これまで勉強したことを復習するような回だよ

不動産の物権が変動するときに誰のものになるか過去問をみて勉強していこう!

今回は、意思表示(虚偽表示・錯誤・強迫・詐欺)や第三者が関係する問題についてみていくよ

 

 

意思表示

 

まずは、このとき勉強した意思表示についての問題だよ

意思表示の復習

意思表示の取り消しはこうだったね!

 

虚偽表示

相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効とされる(民法94条1項)。もっともこれは、善意の第三者に対抗することができない(同2項)。

善意の第三者に対抗できません

Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。虚偽の意思表示について善意のCがBから甲土地を買い受けた場合、Cがいまだ登記を備えていなくてもAはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない

Cさんは何も悪くないからね!嘘ついてたAさんとBさんが良くないね

 

錯誤

表意者の主張

動機の錯誤で錯誤取消しを主張するには、相手方への動機の表示が必要である(民法95条2項)。また、錯誤取消しを主張できるのは表意者である(民法120条2項)。

錯誤した側(表意者)からしか錯誤取消しはできません。

AがA所有の甲土地をBに売却した場合。AB間の売買契約が、Bの意思表示の動機に錯誤があって締結されたものである場合、Bが所有権移転登記を備えていたら、AはBの錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消すことができない

錯誤が理由の取り消しは勘違いした人からしかできないよ

 

表意者に重過失

意思表示は、法律行為の要素に錯誤がある場合でも、表意者に重大な過失があったときは、取り消すことができない(民法95条3項)。

重過失がある勘違いをしたときは取消しできないんだね

AがBに甲土地を売却し、Bが所有家移転登記を備えた場合。Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aに重大な過失があったときは、AはBに対して、錯誤による当該意思表示を取消して、甲土地の返還を請求することはできない

 

第三者がいる場合

意思表示は、法律行為に要素の錯誤があり、表意者に重大な過失がなかったときは、表意者は、意思表示を取消すことができる(民法95条1項)。そして、この場合、悪意の第三者又は善意有過失の第三者に対しても取消しを主張できる(同法95条4項)。

悪意の第三者に錯誤取消しを主張できます

AがBに甲土地を売却し、Bが所有権移転登記を備えた場合。Aの売却の意思表示に要素の錯誤がある場合、Aに重大な過失がなければ、Aの錯誤について悪意のCがBから甲土地を買い受けたとしても、錯誤による当該意思表示を取消して、甲土地の返還を請求することができる

Aさんに重過失がなければ、Cさんが悪意でも善意でも錯誤取消しができるよ!

 

強迫

取消しの効果として、契約は初めからなかったことになる(民法121条)。

強迫が理由の取り消し

AがBに丁土地を売却したが、AがBの強迫を理由に売買契約を取消した場合、丁土地の所有権はAに復帰し、初めからBに移転しなかったことになる。

時を戻そう

 

詐欺

詐欺取り消しと第三者

詐欺による意思表示の取消しは、善意でかつ過失がない第三者に対抗することができない(民法96条3項)。

第三者が善意か悪意かで変わります

AがA所有の甲土地をBに売却した場合。AがBの詐欺を理由に甲土地の売却の意思表示を取消しても、取消しより前にBが甲土地をDに売却し、Dが所有権移転登記を備えた場合には、DがBの詐欺の事実を知っていた場合(悪意)には、AはDに対して甲土地の所有権を主張することができる。

第三者が悪意のときは詐欺が理由の取り消しができる!

 

詐欺取り消し後と第三者

詐欺取り消しの第三者に対しては、対抗関係に立つ(民法177条)ため登記なくして土地の所有権を対抗することができない。

詐欺取り消し後は早いもの勝ちです

A所有の甲土地につき、AとBとの間で売買契約が締結された場合。AがBにだまされたとして詐欺を理由にAB間の売買契約を取消した後、Bが甲土地をAに返還せずにDに転売してDが所有家移転登記を備えた場合AはDから甲土地を取り戻すことができない

詐欺で土地を失ったAさんが可哀そう…

詐欺取消だと、騙された人が保護されそうだよね

ココはすこし厳しくて、詐欺を取消した後にAさんはすぐに登記を戻すことができたはずだよね

 

そのため、登記を戻すことを怠り、その間に第三者がきちんと登記を備えたため、登記を戻さなかった不利益は詐欺取り消しをした人が負うべきという考えかたがあります。

詐欺取り消しをした後は、すぐに登記を戻そう!

 

第三者

次はいろんな第三者についてみていこう

第三者となる場合

Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主をする甲土地の仮装の売買契約を締結した場合について

差押えた人

虚偽表示の対象物を差押えた者は、民法94条2項の第三者に含まれる

差押えた人は第三者です

Bの債権者である善意のCが、甲土地を差し押さえた場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができない

虚偽表示のときは善意の第三者に取り消しを主張できなかったね

 

善意の転得者

悪意の第三者からの善意の転得者は、民法94条2項の「善意の第三者」にあたる(最判昭45.7.24)とされる。

悪意の第三者から善意で受け取った人は善意の第三者になります

甲土地がBから悪意のCへ、Cから善意のDへと譲渡された場合、AはAB間の売買契約の無効をDに主張することができない

Cさんに悪意があったとしても、それを知らなかったDさんは善意の第三者になるんだね。

Dさんは何も悪くないからね!

 

背信的悪意者

高値で売りつけて利益を得る目的を持つ者は、背信的悪意者となり、民法177条で保護される第三者にあたらない(最判昭43.8.2)。

Eさんは保護されるべき第三者とは認められません

AがA所有の甲土地をBに売却した場合。Aから甲土地を購入したBは、所有権移転登記を備えていなかった。Eがこれに乗じてBに高値で売りつけて利益を得る目的でAから甲土地を購入し所有権移転登記を備えた場合、EはBに対して甲土地の所有権を主張することができない

Eさんがしてることは明らかに悪い感じがするよね!

 

第三者とならない場合

土地と建物

土地の仮装譲受人からその土地上の建物を賃借した者は、民法94条2項所定の第三者にはあたらない(最判昭57.6.8)。

この時、Cさんは第三者とはなりません

Aは、その所有する甲土地を譲渡する意思がないのに、Bと通謀して、Aを売主、Bを買主とする甲土地の仮装の売買契約を締結した。この虚偽表示に関し善意のCが、Bとの間で、Bが甲土地上に建てた乙建物の賃貸借契約(貸主B、借主C)を締結した場合、AはAB間の売買契約の無効をCに主張することができる

仮装譲渡された土地と、建物の賃貸借契約は直接関係はないから、Cさんは第三者にならないんだね

 

民法94条2項の「第三者」とは、虚偽の意思表示の当事者またはその一般承継人以外の者であって、その表示の目的につき法律上の利害関係を有するに至った者のことをいう

 

不法占有者

民法177条は「登記がなければ、第三者に対抗することができない」とするが、「第三者」とは、当事者もしくはその包括承継人以外の者であって、登記がないことを主張する正当な利益を有する者である(判例)。
つまり、何らの権限なく不動産を占有する不法占拠者は、この「第三者」に該当しません。

不法占拠者は第三者ではありません

Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。甲土地を何らの権原なく不法占有しているCがいる場合、BはCに対し登記なくして甲土地の所有権を主張できる

不法占有してる人を第三者にしちゃったら、不法占有したもの勝ちになっちゃいそうだよ💦

 

転々譲渡の前々主

民法177条における、登記をしなければ対抗できない「第三者」に該当するためには、その者が紛争土地に対してなんらか正当な権利を有することが必要である。単に当該土地を譲渡したにすぎない前所有者は、登記がないことを主張するについて正当な利益を有していない(判例)。
よって、転々譲渡における前々主は、民法177条の「第三者」にあたりません。

もともと、同意のうえで譲渡してるはずだからね

Aさんは第三者にはあたりません

Aは、Aが所有している甲土地をBに売却した。Bが甲土地の所有権移転登記を備えないまま甲土地をEに売却した場合、Eは、甲土地の所有権移転登記なくして、Aに対して甲土地の所有権を主張することができる

転々譲渡の前々主は第三者にはならないよ~♪

 

RADWIMPSの前々前世風です

 

 

最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!

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