人と動物の関係学②
多様な動物愛護団体など
この前は動物愛護の歴史についてたくさん勉強したね
今回はより具体的にどんな動物愛護の活動をしてきたか勉強しよう!
近代の動物文芸(日本)
- 「動物愛は人類愛の延長である」
- 「良い動物文芸が盛んになれば、愛護運動も盛んになる」
- 昭和9年に「動物文学」を創刊。昭和11年に動物文学会を創立
- 「子鹿物語」などの多数の外国文学を日本に紹介
- 「動物文学の基礎は、動物に対する理解と愛である」
文学を通して、動物愛護の考え方を広めようとしたんだね!
近年の動物愛護運動の歴史(日本)
日本動物愛護協会などの活動(昭和23年~)
- 「動物愛護団体」が稀だった時代に設立
- 当初は、外国人中心の運営
- 「動物愛護思想の普及啓発や教育」「苦しんでいる動物の救済活動」の両方の活動を対象
- 1955(昭和30)年に、「苦しんでいる動物の救済活動」に重点を置く考え方のメンバーが、分離独立して日本動物福祉会を設立
- GHQの指令による「動物愛護デー(春分の日)」の実施
- 動物保護管理法の制定(昭和48年)に向けた働きかけを実施
イギリスなどから動物愛護に関する法律がないことへの強い批判があったそうです。
日本愛玩動物協会の活動(昭和54年~)
- 「教育」に特化した団体
- 適正飼養の専門知識、飼養管理方法、ペット共生住宅(ペットとの暮らし環境)の整備方法、ペットとの暮らしの楽しみ方、ボランティア活動のノウハウなどを対象
日本愛玩動物協会は教育が主な活動なんだね
動物愛護の4団体の活動
動物の保護及び管理に関する法律(動物保護管理法)の制定(昭和48年)
- 当初は、国の体制(予算、組織など)が不十分
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日本愛玩動物協会や日本動物愛護協会などが、日本の動物愛護管理の活動をサポート
- 動物愛護週間行事
- 災害時の救援活動
- マイクロチップなどの個体識別
4つの動物愛護の団体の活動内容を見てみよう
- 適正飼養の普及、より良い暮らし方などの教育活動
- 獣医学の振興や教育、政策提言など
- 動物愛護思想の普及(電話相談、不妊・去勢手術の助成、コンクールなど)
- 動物福祉の向上(不妊・去勢手術の助成、虐待防止指導・教育セミナーなど)
実験動物・産業動物
動物実験のガイドラインの基本理念
~3Rの原則~
- Replacement(代替法の活用)
- Reduction(使用動物数の削減)
- Refinement(苦痛の軽減)
動物実験を完全否定するのではなく、実験方法を適正化するという考え方です。
産業動物の取り扱いの適正
産業動物の福祉の基本理念 ~5つの自由~
産業動物の悲惨な現状を指摘(最低限の配慮が必要と主張)
⇩ 大反響
イギリス政府が実態調査をするきっかけになった
(ブランベル委員会の報告書)
→「動作における5つの自由が保障されるべき」
5つの自由
- 飢え・渇きからの自由
- 不快からの自由
- 苦痛からの自由
- 恐怖・抑圧からの自由
- 自由な行動をとる自由
自由がイチバン❕
動物福祉の考え方
利用目的により異なる動物福祉の考え方
動物の多様な効用
①終生飼養が前提となる愛玩動物などの利用
- 家庭動物:人のパートナー(心、空間、時間の隙間を埋めてくれる伴侶としての存在)
- 学校飼育動物:情操教育など
- 展示動物:生態観察など
②致死的利用が前提となる経済動物
- 産業動物:肉、毛皮などの利用
- 実験動物:医薬品などの開発利用
現実から身をそむけたくなるのが心情ですね
対象動物などで異なる人のかかわり方
野生動物:「地域個体群や種の保護」という全体の利益を重視
ワイルドライフ・マネージメント(野生動物の保護管理)
- 農林業被害・生態系の悪化などの防止だけでなく、野生動物の個体群の保護のためにも必要(例:シカを捕獲することも、シカの保護手段の一つ)
巣から落ちたヒナ
- 拾って保護することはダメ
- 近くで親鳥が見ていることから、拾わずに離れたところから見守るのが基本
外来種
生態系・農林水産業・生活環境への被害を防止するため、防除の対象となり、最終的には殺処分(⇒ペットとして飼うことは基本的に禁止)
- 種の保存
- 調査・研究
- 教育・環境教育
- レクリエーション
*JAZA(公益社団法人日本動物園水族館協会)による
動物愛護の考え方を学ぶための姿勢
めざすところ
- 日本の社会にあった動物愛護のあり方
- 「かわいい・かわいそう」だけに依存しない動物愛護の考え方へのステップアップ(⇒アニマル・ホーダーなどの社会問題を防止)
可愛いからといっても、限度があるよね!
①多様な意見や考え方の容認
- 「個人の考え」と「社会的規範」は別物
②正確な知識と実態の把握
- 冷静沈着さとたゆまぬ学習が必要
③社会的規範としての学習
動物とのふれあいとその効用
動物のふれあいとその効用
効用
- 特に子供のコミュニケーション能力や社会性の発達に有効
- 「環境のバロメーター」(動物が人に環境の状況を知らせるシグナルを送る)
留意事項
- 野生動物は対象外。
- 飼育動物であっても「性格や適正」を考える。
- 健康状態をチェックするなどして、「動物の福祉」に配慮する。
学習指導要領(抜粋)
動植物を育てる活動や体験によって、
- 生命に対する感受性を養う
- 親しみと大切にする心を育てる
動物介在介入は次の3つに大別
①動物介在療法(A.A.T) アニマル・アシステッド・セラピー
医療行為→医療・福祉の専門家が実施
②動物介在活動(A.A.A) アニマル・アシステッド・アクティビティー
いわゆる「動物とのふれあい活動」
③動物介在教育(A.A.E) アニマル・アシステッド・エデュケーション
学校教育など
人と動物とがふれあうことで色んないい効果があるんだね
身体障害者補助犬
盲導犬:視覚障碍者をサポート(928頭)
介助犬:肢体不自由者をサポート(65頭)
聴導犬:視覚障害者をサポート(68頭)
この補助犬は法律で定められているよ
愛玩動物飼養管理士
今回は、動物愛護の団体や動物福祉の考え方とかについて、たくさん勉強したね!
愛玩動物飼養管理士ではこんなことを勉強するから参考にしてみてね!
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