動物のしつけ
学習理論
今回は動物のしつけについて勉強するよ
まずは学習の事について勉強しよう!
「学習」とは何か
- 人を含む動物の個体が特定の環境状態に合わせて行動パターンを獲得したり、変形させたりすること
- 手をたたくと近くに寄ってくる鯉
- 近づく人影に反応し水槽の熱帯魚が水面に集まってくるのも同じ
「生得的な行動」と「学習行動」
- 本能行動
- 種による生得的なコミュニケーション
*本能行動も環境の変化に応じて行動を変化させることがあります。
わたしの爪とぎの習慣は変えられないよ!
学習のプロセス
- 慣れ(馴化)
- 古典的条件づけ
- オペラント条件づけ
- 遊び(哺乳類、特に食肉目の幼体でよくみられる)
- 模倣あるいは観察学習
- 洞察学習(例:犬が金網の向こうの食べ物や飼い主を見て、しばらく迷った末に突然、遠回りして目的に達する「迂回行動」)
- 刷り込み
ブンチョウも学習し(慣れ)て手に乗るようになるよ
古典的条件づけ
このことを「古典的条件づけの消去」っていうよ
オペラント条件づけ
何か行動をしたあとにどうなるかは4パターンだよ!
この2つだと強化で行動は増えるね!
この2つは罰になるから行動は減るね
「模倣」あるいは「観察学習」
人間やおさるさんが得意なやつだよ
刷り込み
- 対象刷り込み(ローレンツとハイイロガン、ツルの性的刷り込み)
- 運動パターンの刷り込み(小鳥のさえずり)
「一般学習」と「刷り込み」の違い
刷り込みは一生涯続くよ!
保険のCMみたいだね!
- 特定の反応のみがそれぞれ特定の対象に刷り込まれる
- 性的刷り込み
対象刷り込みへの対処例
- 行動の対象の決定が、その行動パターンが成熟する以前に起こる
- 成長してからの繁殖行動の対象にまで影響が及ぶこともある
かつては動物園に保護されていた野生のツルの雛が、成長してから飼養係に求愛してしまうことがあったそうです
犬と猫の社会化
犬と猫の「社会化」
- 生まれてきた個体がその種特有の社会行動パターンを身につけていく過程
- 犬や猫などの愛玩動物では同種の他個体だけでなく、飼い主である人間との社会関係も身につけなければいけない点が野生動物と決定的に違う
社会適合猫になろう
犬の場合
新生子期(出生~生後14日前後)
- 眼や耳も開いておらず、排泄には母犬の舐める刺激が必要
- 触覚刺激は成長後の行動(特に不安行動やストレス内分泌反応)に大きく影響
- 人との接触も役に立つ
- 母犬から長時間引き離さない
この頃は1人じゃ何もできないよ
移行期(生後14日前後~21日前後)
- まぶたが開き、聴覚も3週齢くらいで急速に発達する
- 立ち上がり、歩行も可能になる(寝場所から少し離れたことろに行き、自ら排泄するようになる)
- 3週齢くらいから徐々に離乳が始まり、母犬は少しずつ子犬から離れ始める
社会化期(生後3週齢~生後12週齢前後)
- 自分が犬であること、また犬として他の犬に対してどうふるまうべきかを学ぶ
- 飼い犬の場合には飼い主である人間やその他の人間に対してもどうふるまうかを学んでいく
- 3~4週齢(探索行動が急激に活発になる)
- 5週齢~(遊びの頻度が高くなる。遊びを通じてボディランゲージの使い方や噛みつく力の抑制を学ぶ)
- 6~8週齢前後まで母犬や兄弟姉妹から離すべきでない(同種動物である犬との社会化を重要視)
- 同種動物である犬との隔離が12週齢まで続くと、他の犬に対して恐怖や攻撃を示すようになる
- 16週齢までに人間との接触がなかった場合、社会化が困難に
- 新奇なものへの警戒は8~10週齢で高くなる
社会化の度合いは、犬種や個体によって違うよ!
若年期(社会化期の終わり~性成熟に達するまで)
この時期の犬は大変だから飼養放棄してしまう事例もあるそうです
猫の場合
- 出生~生後2週齢
- 生後2週齢~3週齢
- はっきりしていない
- 生後2または3週齢~9週齢
- 犬より早く始まり早く終わる
猫は犬よりも早くオトナになるんだね!
犬のしつけ
次に犬のしつけについて具体的に勉強していきましょう
犬の「しつけ」と「訓練」の違い
- 警察犬や麻酔探知犬などのように、その犬のもつ能力や特性を生かし、犬に特定の分野の作業をさせるため一連の行動パターンを身に着けさせるための学習
- 飼い主やその家族が直接行うことが基本
- 飼い主と犬との間に適正な社会関係を築き、飼い主が犬を常にコントロールできるようにし、家庭犬としてのマナーを身につけさせる学習をさせるとともに、その犬が見知らぬ人や他の犬猫などに出会っても平和的かつ友好的に共存していけるように、犬に好ましい社会的反応性を身につけさせること
犬のしつけ方の選び方
- しつけだからといってむやみに犬を叱ったり、乱暴に扱ったりしない=体罰は用いない
- 犬にも飼い主にも安全な方法を選ぶ
最近は正の強化によるトレーニングが主流みたいだよ
指示語を教えるプロンプト(補助的刺激)
犬は初めからは指示語を知らないので、まずは補助的な刺激を用いてその「動作」を教えていく
- 前段階として十分に犬をハンドリングして、どこをさわられたり抑えられたりしても犬が嫌がらないようにしておく
- 乱暴な指導は犬の学習に支障をきたす
やさしく教えてね
- 食べ物などのルアーを使って誘導する
強化子と強化スケジュール
- 無条件(一次)強化子:生得的に強化子になるもの(食べ物など)
- 条件性(二次)強化子:強化の働きを経験によって得たもの(褒められるなど)
散歩の前に「オスワリ」とかだよ!
- 連続強化スケジュール
→覚えるまでは毎回ご褒(報酬)を与えます。
- 部分(間欠)強化スケジュール
→ご褒美(報酬)を与えるときと与えないときを作る
- 固定比率強化(3回に1回ご褒美など固定)
- 変動比率強化(タイミングが分からない。こちらの方が効果が高い)
犬のしつけにあたって知っておくべきこと
- 場所や指示する人が変われば、その反応の生起頻度は低下する(犬は般化<普遍化>が苦手)
- 犬のしつけは基本的に家族全員で行う
- いつも行っているところでできるようになったら、段階的にいろいろな場所でレッスンを進める
人もいつもと違う場所だと緊張していつも通りにはなかなかできないよね!
なぜ「正の強化」を使ってしつけるのか
- 犬の反応が強化される(行動の頻度が上がる)
- 犬の自発的行動が妨げられない
- トレーニングの経験が報酬と直結する
- ほとんどの人ができる方法(叱るのは難しい)
- リスクが少ない安全な方法
- 周囲の人が不快でない方法
なぜ罰の使用は勧められないのか
- タイミングが難しい
- 不適切な行動すべてに罰を与えられない場合、結果として不適切な行動の維持・増加になる
- 適切な強度で与えることが難しい
- 身体的な損傷が起こりかねない
- 恐怖反応や攻撃性が増加する可能性がある
- 与えた人や与えた状況と関連づけることがある
- 罰だけでは望ましい行動を教えることはできない
褒めて伸ばそう
猫のしつけ
最後に室内猫のしつけについて勉強するよ
猫の行動と習性
明け方と夕方に行動するって意味だよ!
- フェイシャルマーキング、尿、爪とぎ
猫の室内飼養のすすめ
屋外は危険がいっぱい
- 猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)
- 猫白血病ウイルス感染症(FeLV)
- 猫の排泄やマーキングは近隣の迷惑行為
お外は危ないから、ちゃんと家の中で暮らさせてね
雌:子宮蓄膿症や乳がんにかかりにくくなる
雄:精巣腫瘍などの生殖器系疾患の予防、尿マーキングの防止など
トイレ
きれいなトイレが好きです
- トイレ箱の嫌悪、排泄場所の好み(トイレが汚れている、安心して排泄できる場所ではない、など)
- マーキング(性成熟したオス、去勢手術で約90%が改善する)
- 病気(膀胱炎や尿石症など、病気が改善した後もトイレ箱を使わなくなることがある)
- 不安(環境の変化、家族のスケジュールが変わる、家具の配置が変わる、庭に見知らぬ猫が出入りする、など)
人の子供が生まれて家族構成が変わったときとかも不安を覚えるよ
飼い主や人に慣れさせる
手入れ
特に毛が長い長毛種はブラッシングが必要だから、小さい時から少しずつ慣らしてね
爪とぎ
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いろんな爪とぎがあるから色々試してみてね!
猫のニーズ おもちゃ
- 安全ではあるが退屈な室内生活の中で狩猟本能を適切に発散させる必要
- 遊びや運動で適切に狩猟本能を発散させる
- 飲み込んだ切れ端を引っ張ると消化管を傷つけてしまう恐れがある
- てんかん様発作を誘発することもある
愛玩動物飼養管理士
今回で一通り愛玩動物飼養管理士2級で勉強することは終わりだよ
実際に受験する時はまずは資料請求からしてねみてね
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