手付金等の保全措置①

宅建士

手付金等の保全措置①

 

手付金等の保全措置

前に手付金額の制限については勉強したね

 

一定額を超える手付金等(中間金含む)を受け取るときは、保全措置が必要だったよね!

 

保全措置

今回はそんな保全措置のルールについてより詳しく勉強しよう!

 

 

工事完了前

未完成物件の場合、受領しようとする手付金等の額が、代金の5%、または1000万円を超えるときは、保全措置を講じなければならない(宅建業法41条1項)。

ふむふむ。

書面で保全措置を講じないことを告げることはできません。

 

5%以下かつ1000万円以下

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBとの間で建物(代金2,400万円)の売買契約を締結する場合。AがBとの間で締結する売買契約の目的物たる建物が未完成であり、AからBに所有権の移転登記がなされていない場合において、手付金の額が120万円以下であるときは、Aは手付金の保全措置を講じることなく手付金を受領することができる
保全措置が必要な額:2,400万円×5%=120万円超

条件を満たしていればもちろん保全措置がなくても手付金を受領できるよ!

 

所有権移転登記までに保全措置

例外的に、買主への所有権移転登記がなされたときは保全措置が不要だが、それまでは保全措置を講じる必要がある。

所有権移転登記がされたら、もう保全措置は必要ないよ

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合。Aは、保全措置を講じないで、Bから手付金150万円を受領した場合、その後、建築工事が完了しBに引き渡す前に中間金150万円を受領するときは、建物についてBへの所有権移転の登記がなされるまで、保全措置を講じる必要がある

 

保全措置後に手付受領

手付金等の保全措置は、手付金等を受領する前に講じておかなければならない。保証保険契約によって保全をする場合は、手付金等を受領する前に、保証保険契約を締結した上で、保険証券を買主に交付しなければならない(宅建業法41条1項柱書)。

保全措置をした証拠として、手付金等を受け取る前に保険証券を渡そう!

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関して。Aは、Bとの間で建築工事完了前の建物に係る売買契約(代金3,000万円)を締結するに当たり、保険事業者との間において、手付金等について保証保険契約を締結して、手付金300万円を受領する前に、保険証券をBに交付する必要がある

 

支払の拒否

保全措置が必要な場合において、保全措置が講じられていなければ買主は手付の支払を拒否することができる(宅建業法41条4項)。

保全措置がなければ、手付金は支払いません

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合。Aが、Bから手付金600万円を受領する場合において、その手付金の保全措置を講じていないときは、Bは、この手付金の支払いを拒否することができる
保全措置が必要な額:3,000万円×5%=150万円超

 

中間金が追加

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合。Aは、Bから手付金150万円を保全措置を講じないで受領し、その後引渡し前に、中間金350万円を受領する場合は、すでに受領した手付金と中間金の合計額500万円について保全措置を講じなければならない
保全措置が必要な額:3,000万円×5%=150万円超

手付金だけだと、保全措置がいらないけど、中間金を合計すると150万円を超えるから全額に保全措置が必要になるよ

 

引渡し前の中間金も手付金等に当たります。

 

申込証拠金

宅建業法41条1項にいう手付金とは、「代金の全部又は一部として授受される金銭及び手付金その他の名義をもって授受される金銭で代金に充当されるものであって、契約の締結の日以後当該宅地又は建物の引渡し前に支払われるもの」をいい、これに対しては保全措置が必要になる。

契約締結前に支払われるものでも、締結後に代金に充当されるなら、手付金になるよ!

宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結し、Bから手付金200万円を受領した。Bが売買契約締結前に申込証拠金5万円を支払っている場合で、当該契約締結後、当該申込証拠金が代金に充当されるときは、A社は、その申込証拠金に相当する額についても保全措置を講ずる必要がある

 

契約時に未完成かどうか

契約締結時に未完成物件であった以上、その後、工事が完了して完成物件になったとしても、未完成物件の保全措置の基準が適用される

契約した時に未完成かどうかが大事なんだね!

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関して。Aは、Bとの間で建築工事完了のマンションに係る売買契約(代金3,000万円)を締結し、その際に手付金150万円を、建築工事完了、引渡し及び所有権の登記までの間に、中間金150万円を受領するには、合計額が代金の10分の1以下であるが、保全措置を講じる必要がある
保全措置が必要な額:3,000万円×5%=150万円超

 

指定保管期間は使えない

未完成物件の場合、手付金等の保全措置として用いることができるのは銀行等による連帯保証か保険事業者による保証保険である。指定保管機関による保管は完成後にしか用いることはできない。
未完成物件では指定保管機関は使えません。
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で締結する売買契約に関して。Aは、宅地建物取引業者でないBとの間で建築工事完了の建物を4,000万円で売却する契約を締結し300万円の手付金を受領する場合、銀行等による連帯保証保険事業者による保証保険に保全措置を講じなければならない指定保管機関による保管での保全措置を講じることはできない

 

保全措置の内容

銀行との間で保証委託契約を締結することにより保全措置を講じている場合、当該措置内容は、少なくともA社が受領した手付金の返済債務の全部を保証するものでなければならない(宅建業法41条2項1号)。
何かあったときに手付金が全部返ってくることを保証してくれるんだね

 

保険期間

保険期間は、少なくとも保証保険契約が成立した時から宅地建物取引業者が受領した手付金等に係る宅地又は建物の引渡しまでの期間でなければならない(宅建業法41条3項2号)。

引渡しがあるまでは保証してください

宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bと建築工事完前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結し、Bから手付金200万を受領した。A社が保険事業者との間で保証保険契約を締結することにより保全措置を講じている場合、当該措置内容は、少なくとも当該保証保険契約が成立したときから建物の引渡しまでの期間を保険期間とするものでなければならない。

 

売主が保全措置

手付金等の保全措置を講じなければならないのは、自ら売主となる宅建業者である(宅建業法41条1項)。

代理や媒介をしてる宅建業者は保全措置する必要はないよ!

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で締結する売買契約に関して。Aは、宅地建物取引業者Cに販売代理の依頼をし、宅地建物取引業者でない買主Dと建築工事完了前のマンションを3,500万円で売却する契約を締結した。この場合、Aが保全措置を講ずることにより、Aは、代金の5%を超える手付金を受領することができる。Cが保全措置を講ずる必要はない

 

媒介報酬は別

保全措置は「手付金等」を受領する場合に売主に要求されるのであって(宅建業法41条1項)、媒介者が媒介の報酬を受領する際には要求されない

媒介報酬には保全措置は必要ないよ

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、宅地建物取引業者でないBと建築工事完了前のマンション(代金3,000万円)の売買契約を締結した場合。Aが、保全措置を講じて、Bから手付金300万円を受領した場合、Bから媒介を依頼されていた宅地建物取引業者Cは、Bから媒介報酬を受領するに当たり、あらかじめ保全措置を講じていなくとも媒介報酬を受領することができる

 

宅建業者同士

宅建業者同士の取引であれば手付金の保全措置は必要ない(宅建業法78条2項、同41条)。

お互いプロだからね

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として買主との間で締結する売買契約に関して。Aは、宅地建物取引業者である買主Eとの間で建築工事完了前の建物を5,000万円で売却する契約を締結した場合、保全措置を講じずに、当該建物の引渡前に500万円を手付金として受領することができる

 

 

工事完了後

完成物件の場合、手付金が代金の10%または1000万円を超える場合、保全措置が必要となる(宅建業法41条の2、同施行令3条の3)。

完成物件の方が未完成物件より緩くなってるよ

 

10分の2の手付金

宅地建物取引業者A社が、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結する建築工事完了後の建物の売買契約に関して。当該契約の締結に際し、A社がBから代金の額の10分の2の手付金を受領する場合には、当該手付金を受領するまでに、宅地建物取引業法第41条の2の規定に基づく保全措置を講じなければならない

10分の2はもちろん、10%を超えてるよね!

 

手付金が10%

宅地建物取引業者A社が、自ら売主として締結する建築工事完了の新築分譲マンション(代金3,000万円)の売買契約に関して。A社は、宅地建物取引業者でない買主Dとの当該売買契約の締結に際して、宅地建物取引業法第41条の2の規定による手付金等の保全措置を講じなくとも、Dから300万円の手付金を受領することができる
保全措置が必要な額:3,000万円×10%=300万円超

300万円以下だから、保全措置は必要ないよ!

 

中間金の追加

保全措置を講ずる必要がなかったため、当該措置を講じないで受領した手付金等があるときは、その額を加えた額について手付金等の保全措置を講じなければならない(宅建業法41条の2第1項但し書)。

中間金を追加して保全措置が必要な額を超えたら全部に保全措置が必要になるんだったね

宅地建物取引業者である売主は、宅地建物取引業者ではない買主との間で、戸建住宅の売買契約(所有権の登記は当該住宅の引渡し時に行うものとする。)を締結した。当該住宅が建築工事の完了で、売買代金が3,000万円であった場合、売主は、買主から手付金200万円を受領した後、当該住宅を引き渡す前に中間金300万円を受領するためには、手付金200万円と合せて保全措置を講じた後でなければ、その中間金を受領することができない
保全措置が必要な額:3,000万円×10%=300万円超
  • 手付金+中間金:200万円+300万円=500万円>300万円

 

解約手数料の追加はできない

宅地建物取引業者が自ら売主となる契約においては、手付は常に解約手付の効力を有し、解約手付の性質に関し、民法の規定により買主に不利な特約をすることはできない(宅建業法39条2項、3項)。

手付金と別に解約手数料を求めることはできないよ

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した売買契約に関して。Aは、Bとの間で建築工事後の建物に係る売買契約(代金3,000万円)において、「Aが契約の履行に着手するまでは、Bは、売買代金の1割を支払うことで契約の解除ができる」とする特約を定め、Bから手付金10万円を受領した。この場合、この特約は無効である。

Bさんは手付金10万円を放棄するだけで、契約解除できるよ!

 

宅建業者同士

宅地建物取引業者Aが、自ら売主として締結する売買契約に関して。Aが宅地建物取引業者Dとの間で造成工事完了後に締結する宅地(代金3,000万円)の売買契約におていは、Aは、宅建業法第41条の2に定める手付金等の保全措置を講じないで、当該宅地の引渡し前に手付金800万円を受領することができる
もちろん工事完了後でも、宅建業者同士だと保全措置はいならないよ!

 

 

最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!

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