共有・占有・相隣関係
共有
共有とは
「共有」はイメージが湧きやすいと思いますが、一つのモノを複数人で所有することです。

1つの爪とぎをみんなで「共有」
宅建(不動産)であれば、マンションの各部屋は個人の所有分、ロビーなどマンションの入居者全員が使用する場所は共有部分というイメージです。

シェアハウスも一戸の家を共有(シェア)して住んでますね!
共有のルール
共有は「争いの母」とも呼ばれるほど、トラブルの基となります。なので、共有に関するルールが色々と定められています。

それぞれ見ていこう!
共有物の持分

みんなの物を勝手に独り占めしちゃダメだね!

共有物の各共有者の持分が不明な場合は、持分は平等と推定されるよ。

特に決めなかった財産は結婚したら夫婦の物になるんだね。
変更行為

みんなで住んでいるシェアハウスがいつの間にか売られていたり、間取りが変わってたらビックリするよね。

そういった大事なことはみんなで決めよう!

軽微な変更ってどんなの?

軽微な変更は「形状または効用の著しい変更を伴わない変更」の事だよ!

ちょっとした変更にも共有者全員の合意が必要だと合意を集めるのも大変ですからね
<補足>

共同相続してる場合はみんなで決めよう!
管理行為

管理行為はできるだけみんなで決めたいから「多数決」をするイメージかな。
保存行為

建物を守ること(保存行為)はみんなの為になるから単独の判断でできるよ!

共有物の「保存・管理・変更」まとめ

「保存・管理・変更」をまとめるとこんな感じですね
持分の放棄

共有者の一人が死亡して相続人がいない場合は、その持分は他の共有者に帰属するよ!
共有物の分割

5年以内は分割をしないっていう契約ができるよ!

家を半分に分割しちゃったら住めなくなるね。

そんな時は家をいったん売却して、そのお金を分割したりするんだね。
占有
占有とは?
占有とは、他人の物を自分が利益を受ける意思をもって事実上支配する事です。

人間の毛布を朝まで占有する「ナナ」
不動産であれば居住・利用している状態(例:賃借した部屋で暮らしている)をイメージしてもらえると分かりやすいと思います。
その動産や不動産を直接支配することが認められる権利を「占有権」と言います。

私は毛布の占有権を持っているよ!
占有権について
占有権を有している人を守るための具体的な防衛策として3つの占有訴権があります。
- 占有回収の訴え
- 占有保持の訴え
- 占有保全の訴え

それぞれ見ていこう!
占有回収の訴え

毛布暖かいな~♨

ちょっと使わせて

毛布返して!

これが占有回収の訴えだね。

特定承継人は個別の権利を継承した人のことだよ

権利義務を一括して継承する者(包括継承人)と区別しましょう!
占有保持の訴え

占有代理人による占有保持の訴え

もし、台風などの天災でお隣さんの木が倒れれきて庭が妨害さてたとしても、わざとじゃないから占有妨害による損害賠償は期待できないよ
占有保全の訴え
占有を妨害される恐れがある時に、その予防措置や損害橋用の担保を請求することができます。

私は戸建の賃貸住宅に住んでるとして(占有者)

お隣さんの木が倒れてきそう…

そんなときは、お隣さんに対して倒木しないような措置を要求したり、いざ倒木した際に備えて損害賠償の担保を請求したりすることができるよ。
占有が認められる例

この場合、甲建物の鍵を持ってなくても占有が認められるよ。

張り込み具合が占有の強い意志を感じられるね(笑)
相隣関係
相隣関係とは?
言葉通り、お隣さんとの関係のことです。ここでは、自分の土地が他人の土地に囲まれている際にその土地を通行できるか?という事を取り上げます。

自分の土地が公道に接している場合は何も問題ないです。

自分の土地の周りに他の人の土地があったらどうなるの?
通行権

甲土地が共有分割によって公道に通じなくなった場合

これで通れなくなったらかわいそうだね!

時効取得によるものでも通れます

だけど、どこでも好き放題通っていいわけじゃないよ!

お隣さんの土地に一番迷惑をかけない道を選ぼう。

自動車を所有している場合

自動車による通行権が認められる場合もあるよ!

車が通れなかったら不便だもんね。
通路の開設

Aさんは通路を利用し続けても通路の時効取得はしません

自分で作った通路じゃないと時効取得できないんだね。

隣人土地の通路をAが貸借。その後A土地の所有権がBへ

所有権がAからBに移っても、隣人土地の賃借権はBには移転しないよ!

賃借権は独立した債権で、通路は別の契約だよ
その他物権
地役権

何が書いてあるかさっぱり判らないや!

言葉だけだと、分かりにくいね。さっきの通行権の話を例に見てみよう!

要役地と承役地
- 地役権<他人の土地を利用(使役)する権利>
- 要役地<地役権を必要とする土地>
- 承役地<地役権を設定(承認)されている土地>

地役権者は設定した目的の範囲内で他人の土地を利用できるんだね!

通路を設けているなどして、明らかに使っている場合は地役権の時効取得ができるよ。
最後に

勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!
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