報酬額(売買・交換)
売買・交換の報酬額
売買・交換のときの報酬額の上限や制限について前に勉強したね
今回は過去問から実際に宅建業者が受け取れる額がいくらになるか勉強していこう!
200万円以下
報酬限度額の計算式
売買代金(税抜)<=200万円の場合
売買代金×5%+消費税
売買代金が200万円以下のときはこうやって報酬額の上限が決まるんだったね!
200万円の宅地の媒介
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬額に関して。宅地(200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の売買の媒介と比較して現地調査等の費用を多く要しない場合に、売主Dと合意していた場合でも、AがDから受け取れる
報酬限度額は11万円である。
通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を
多く要しないものについては、低廉な空家等の報酬計算の
特例の適用を受けることはできない(国土交通省告示第七参照)。
通常の報酬限度額のみを計算します。
- 通常の報酬限度額:200万円×5%×10%(税)=11万円
Aが受け取れる報酬限度額は11万円です。
200万円の宅地の代理
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬額に関して。宅地(
代金200万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の代理について、通常の売買の代理と比較して
現地調査等の費用が8万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、売主Bと合意していた場合には、AはBから
308,000円を上限として報酬を受領することができる。
現地調査費用を請求できるか?
通常の報酬額+現地調査費用<=19万8千円(税込み)
- 通常の報酬額:200万円×5%+10%(税)=11万円
- 現地調査費用:8万円×10%(税)=8万8千円
- 合計:11万円+8万8千円=19万8千円<=19万8千円
売買代理の報酬限度額はいくらか?
売買又は交換の
代理の報酬限度額は、売買又は交換の
媒介の報酬限度額の倍です。
- 通常の報酬額(媒介):200万円×5%+10%(税)=11万円
- 通常の報酬額(代理):11万円×2=22万円
最終的な報酬限度額は?
- 現地調査費用:8万8千円
- 通常の報酬額(代理):22万円
- 合計:8万8千円+22万円=30万8千円(税込み)
Aが受け取れる報酬限度額は30万8千円となります。
200万円以上400万円未満
報酬限度額の計算式
200万円<売買代金(税抜)<=400万円の場合
(売買代金×4%+2万円)+消費税
売買代金が400万円以下で200万円よりは大きいときはこうだったね!
350万円の土地
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額について。土地(
代金350万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Dから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ2万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をDに対し説明した上で、AがDから受け取ることができる報酬の
上限額は198,000円である。
現地調査費用を請求できるか?
通常の報酬額+現地調査費用<=19万8千円(税込み)
- 通常の報酬額:(350万円×4%+2万円)×10%(税)=17万6千円
- 現地調査費用:2万円×10%(税)=2万2千円
- 合計:17.6万円+2万2千円=19万8千円<=19万8千円
Aが受け取れる報酬限度額は19万8千円となります。
300万円の土地中古住宅
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額について。土地付中古住宅(代金300万円。消費税額相当を含まない。)の売買について、Aが
買主Cから媒介を依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ4万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をCに対し説明した上でも、AがCから受け取ることができる報酬の
上限額は154,000円である。
代金額が
300万円なので、低廉な空家等の特例の適用が認められ、現地調査等の費用を報酬に含めて請求できる。ただし、
請求先は売主と定められている(報酬告示第七)。
よって、通常の報酬限度額のみを計算します。
- 通常の報酬限度額:300万円×4%+2万円×10%(税)=15万4千円
320万円の土地付中古別荘
宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は売主Bから土地付中古別荘の売却の
代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は買主Dから別荘用物件の購入に係る
媒介の依頼を受け、BとDとの間で当該土地付中古別荘の売買契約を成立させた。なお、当該土地付中古別荘の売買代金は
320万円(うち、土地代金は100万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。

それぞれの報酬限度額
こんなとき、それぞれの宅建業者が受け取れる報酬の限度額についてみていこう!
A社の報酬
報酬限度額
A社はBから、
少なくとも154,000円を上限とする報酬を受領することができる。
税抜きの売買代金は
- 建物(税込み):320万円ー100万円(土地、非課税)=220万円
- 建物(税抜き):220万円÷10%(税)=200万円
- 合計(税抜き):200万円+100万円=300万円
報酬限度額の計算
- 通常の報酬額(媒介):300万円×4%+2万円=14万円
- 通常の報酬額(代理):14万円×2=28万円
- 税込み価格:28万円×10%(税)=30万8千円
A社が受け取れる報酬限度額は30万8千円です。
だけど、この場合はC社もいるからそっちも考えないといけないよ!
1件の取引において宅地建物取引業者が受け取れる報酬限度額は、宅建業者の数に関わらず一定である。
一つの取引で発生する報酬限度額を宅建業者で山分けする感じだね
つまりこの場合、A社とC社は二社合計して30万8千円しかもらえません。
C社が受け取った分、A社の取り分が少なくなるんだね!
C社がDから受け取れる報酬限度額
- 通常の報酬額(媒介):300万円×4%+2万円=14万円
- 税込み価格:14万円×10%(税)=15万4千円
C社が15万4千円の報酬を受け取った場合、A社は
15万4千円(30万8千円ー15時千円)までしか報酬を受け取れません。
広告料金
A社は、代理報酬のほかに、Bからの依頼の有無にかかわらず、通常の広告の料金に相当する額について、Bから受け取ることはできない。
通常の広告料金は報酬に含まれてるイメージだね
報酬限度額を超えて通常の経費を受領することはできない。広告料金を報酬限度額を超えて受領できるのは依頼者の依頼に基づいて行った広告についてのみである。
C社の報酬
受け取れない可能性も
A社がBから受領する報酬の額によっては、C社はDから報酬を受領することができない場合がある。
逆にA社が上限いっぱいに報酬を受け取ったら、C社は報酬を受け取れなくなる可能性もあるんだね
上限は増えない
A社がBから100,000円の報酬を受領した場合でも、C社がDから受領できる報酬の
上限額は154,000円である。
C社が受け取れる報酬の上限額は15万4千円だったよね
A社とC社の受領できる報酬の上限額は308,000円であるが、C社はA社の受領額が少なかったことを理由に自社に課せられた上限を超えて報酬を受領することはできません。
余ってるからって、20万8千円をC社が受けとることはできないよ!
400万円以上
報酬限度額の計算式
400万円<売買代金(税抜)の場合
(売買代金×3%+6万円)+消費税
500万円の土地付中古住宅
宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることのできる報酬の上限額に関して。土地付中古住宅(代金500万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、Aが売主Bから媒介のを依頼され、現地調査等の費用が通常の売買の媒介に比べ5万円(消費税等相当額を含まない。)多く要する場合、その旨をBに対し説明した上でも、AがBから受け取ることができる報酬の
上限額は231,000円である。
土地付中古住宅は、代金500万円であり、低廉な空家等(売買代金400万円以下)には該当しないため、通常の報酬とは別に現
地調査費用を受領することはできない。
報酬限度額の計算
- (500万円×3%+6万円)×10%(税)=23万1千円
Aが受け取れる報酬限度額は21万1千円です。
5500万円の土地付建物
宅地建物取引業者A社(消費税課税事業者)は売主Bから土地付建物の売却の
代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C社(消費税課税事業者)は買主Dから戸建住宅の購入の
媒介の依頼を受け、BとDの間で売買契約を成立させた。なお、土地付建物の代金は
5,500万円(うち、土地代金は2,200万円)で、消費税額及び地方消費税額を含むものとする。

状況整理
それぞれの宅建業者が受け取れる報酬限度額を計算してみよう!
税抜きの売買代金
- 建物(税込み):5500万円ー2200万円(土地、非課税)=3300万円
- 建物(税抜き):3300万円÷10%(税)=3000万円
- 合計(税抜き):3000万円+2200万円=5200万円
それぞれの報酬限度額
- 媒介:(5200万円×3%+6万円)×10%(税)=178万2千円
- 代理:178万2千円×2=356万4千円
A社は356万4千円、C社は178万2千円が報酬限度額です。
ただし、A社とC社の報酬の合算額が356万4千円を超えてはいけません。
よって、以下の条件に当てはまれば大丈夫です。
- A社の報酬が356万4千円以下
- C社の報酬が178万2千円以下
- A社C社の報酬の合計が356万4千円以下
これをふまえて次の報酬が宅建業法に違反するか確認しよう
特別の費用
A社はBから1,660,000円の報酬を受領し、C社はDから1,669,500円を報酬として受領したほか、Dの特別の依頼に基づき行った遠隔地への現地調査に要した特別の費用について、Dが事前に負担を承諾していたので、50,000円を受領した。この場合、宅建業法に
違反しない。
特別な依頼による費用は報酬とは別に受け取ることができるよ
A社の報酬:166万円<356万4千円
C社の報酬:166万9500円<178万2千円
A社とC社の合計:166万円+166万9500円=332万9500円<356万円4千円
合計額が超えてる
A社はBから2,300,000円の報酬を受領し、C社はA社及びDの了承を得た上でDから1,350,000円の報酬を受領した。この場合、宅建業法に
違反する。
A社の報酬:230万円<356万4千円
C社の報酬:135万円<178万2千円
A社とC社の合計:230万円+135万円=365万円>356万円4千円
了承があっても、報酬額の制限を超えて受け取るのはダメだったね!
最後に

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