広告について
誇大広告
おとり広告
顧客を集めるために売る意思のない条件の物件を広告することにより他の物件を販売しようすることは、いわゆるおとり広告に該当し、誇大広告として禁止される(宅建業法32条)。そして、誇大広告禁止に違反した場合、監督処分の対象となる(宅建業法65条2項、4項)。
ホントはもう借りる人が決まっている部屋なのに、良い部屋だから広告を載せといて問い合わせを誘ったりする業者もあるらしいよ
被害が無くてもダメ
宅建業者が顧客を集めるために売る意思のない条件の良い物件を広告することにより他の物件を販売しようとした場合、取引の相手方が実際に誤認したかにかかわらず、監督処分の対象となる。
実際に被害が出てなくても、おとり広告はダメだよ!
継続広告
売買契約が成立した後も継続して広告を掲載し続けることは、誇大広告に当たり宅建業法32条に違反する。
わざとじゃなくても、売れた不動産を広告したらダメだよ
宅地の売買に関する広告をインターネットで行った場合において、当該宅地の売買契約成立後に継続して広告を掲載していた場合、最初の広告掲載時点で当該宅地に関する売買契約が成立していなかったとしても、宅建業法32条に規定する誇大広告等の禁止に違反することになる。
表示項目
宅建業者は、その業務に関して広告をするときは、当該広告に係る宅地又は建物の現在又は将来の利用の制限について、著しく事実に相違する表示などをしてはならない(宅建業法32条)。
当たり前だけど、正直に表示をしよう!
違反した場合
宅建業法32条の広告に関する規定に違反した場合、監督処分及び罰則の対象となる(同法65条、81条1号)。
ルールを守らないとお仕置きされちゃいます
宅地建物取引業者Aは、宅地の売買に関する広告をするに当たり、当該宅地の形質について、実際のものよりも著しく優良であると人を誤認させる表示をした場合、当該宅地に関する注文がなく、売買が成立しなかったときであっても、監督処分及び罰則の対象となる。
ペナルティ
誇大広告等の禁止規定(宅建業法32条)に違反した場合、監督処分の対象となるほか、6ヶ月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこれらの併科に処せられことがある(同法65条1項、2項2号、81条1号)。
なかなか厳しいペナルティがあるんだね
宅地建物取引業者が販売する宅地又は建物の広告に著しく事実に相違する表示をした場合、監督処分の対象となるほか、6月以下の懲役及び100万円以下の罰金を併科されることがある。
広告のルール
取引態様
宅建業者は、宅地又は建物の売買、交換又は貸借に関する広告をするときは、取引態様を明示しなければならない(宅建業法34条1項)。取引態様には、代理や媒介も含まれる。そして、その後取引の注文を受けたときにも、たとえ広告時点と取引態様に変更がなくとも、取引態様を明示しなければならない(宅建業法34条2項)。
広告で表示されていても、注文を受けたときに改めて言われないと一般の人からはよく分からないよね
取引態様の明示
宅建業者が建物の売却について代理を依頼されて広告を行う場合、取引態様として、代理であることを明示しなければならないが、その後、当該物件の購入の注文を受けたときに、広告を行った時点と取引態様に変更がない場合でも、遅滞なく、その注文者に対し取引態様を明らかにしなければならない。
都度明示
宅建業者は、一団の宅地について数回に分けて広告を出す場合には、その都度取引態様の別を明示しなければならない(宅建業法34条1項)。
最初の広告を見てない人も多いだろうからね!
違反する場合
宅地建物取引業者Aは、中古の建物の売買において、当該建物の所有者Bから媒介の依頼を受け、取引態様の別を明示せずに自社ホームページに広告を掲載したが、広告を見た者からの問い合わせはなく、契約成立にはいたらなった場合でも、宅建業法に違反する。
とにかく不適切な広告をすることがダメなんだね
ひっかけ問題
建物の所有者と賃貸借契約を締結し、当該建物を転貸するための広告をする際は、当該広告に自らが契約の当事者となって貸借を成立させる旨を明らかにしていなくても、宅建業法34条に規定する取引態様の明示義務に違反しない。
よく見ないと引っかかりやすいところだね
広告料金
宅建業者は、報酬限度額のほかに、依頼者の依頼によって行う広告の料金に相当する額について、受領することができる(宅建業法46条1項、報酬額告示第9)。依頼者の依頼がない場合、当該費用を受領することはできない(宅建業法46条2項)。
勝手に広告して、その料金を請求するのは良くないよね!
宅地建物取引業者は、建物の貸借の媒介において広告を行った場合には、依頼者の依頼があった場合は、報酬とは別に当該広告の料金に相当する額を受領することができる。
広告中に免許取消
免許を取り消された宅地建物取引業者は、当該宅地建物取引業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなされる(宅建業法76条)が、広告の段階で契約締結にいたっていない取引については、宅建業者としてみなされる余地はない。
広告しかしてないので、当たり前ですね!
宅地建物取引業者の免許を取り消された者は、免許の取消し前に建物の売買の広告をしていても、当該建物の売買契約を締結する目的の範囲内において、宅地建物取引業者とみなされることはない。
業務停止中の広告
業務の全部の停止を命じられた場合に停止すべき業務は、宅地の売買、媒介、代理等の契約締結行為だけでなく、宅建業に関する業務全般となる。よって、当該期間中は広告も行ってはならない。
広告するのも、宅建業になるから停止期間中はしちゃダメだよ!
宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、甲県知事から業務の全部の停止を命じられ、その停止の期間中に未完成の土地付建物の販売に関する広告を行い、当該土地付建物の売買の契約は当該期間の経過後に締結した場合、宅建業法に違反する。
自己の名義
宅建業者は、自己の名義をもって、他人に宅建業を営ませてはならない(宅建業法13条1項)。また、宅建業者は、自己の名義をもって、他人に、宅建業を営む旨の表示をさせ、又は宅建業を営む目的をもって広告をさせてはならない(宅建業法13条2項)。
ちゃんと自分の名義で広告もしてほしいよね
デジタル広告
宅建業法の広告の規制は、新聞の折り込みチラシや配布用のチラシの他にテレビやインターネットを利用して行う広告も対象となる。
今はインターネットで不動産の情報を調べる人も多いよね
工事完了前
工事完了前の広告
宅地造成・建物建築に関する工事の完了前の宅地又は建築物は、当該工事に必要とされる許可などの処分(開発行為の許可、建築確認)を受けた後でなければ広告をすることができない(宅建業法33条)。
許可や建築確認を受けさえすれば、完成前でも広告ができるよ!
違反しない場合
宅地建物取引業者Aは、宅地の造成に当たり、工事に必要とされる許可等の処分があった宅地について、当該処分があったことを明示して、工事完了前に、当該宅地の販売に関する広告を行った場合でも、宅建業法に違反しない。
違反する場合
宅地建物取引業者Aは、自ら売主として新築マンションを分譲するに当たり、建築基準法第6条第1項の確認の申請中であったため、「建築確認申請済」と明示して、当該建築の販売に関する広告を行い、建築確認を受けた後に売買契約を締結した場合、宅建業法に違反する。
建築確認前の売買と広告
工事の完了していない建築物については、建築確認を受けた後でなければ売買や広告を行ってはならない(宅建業法33条)。
建築確認前の建物は広告だけじゃくて、売買もダメなんだね!
宅地建物取引業者Aは、新築分譲マンションを建築工事の完了前に販売しようとする場合、建築基準法第6条第1項の確認を受ける前において、当該マンションの売買契約の締結をすることも、当該販売に関する広告をすることもできない。
建築確認前の賃貸借
賃貸物件に関して、建築確認等を受ける前に広告することは許されない(宅建業法33条)。なお、建築確認等を受ける前であっても、貸借の契約を締結することは許される(同法36条参照)。
賃貸だと、広告はできないけど契約はできるんだ
宅地建物取引業者は、建築確認が必要とされる建物の建築に関する工事の完了前においては、建築確認を受けた後でなければ、当該建物の貸借の代理を行う旨の広告をしてはならない。
しかし、
宅地建物取引業者C社は、建築確認の済んでいない建築工事完了前の賃貸住宅の貸主Dから当該住宅の貸借の代理を依頼され、代理人として借主Eとの間で当該住宅の賃貸借契約を締結した場合、宅建業法に違反しない。
最後に
勉強したことは過去問アプリなどで復習しましょう!
宅建 過去問 2021 - 一問一答と10年分の過去問演習アプリ
Trips LLC無料posted withアプリーチ
コメント